第三十六章 ボレロジャケットとキャミソールドレスアンサンブル のパターンメーキングとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」 と「モデリア ファム ミリュ トルソ」を使用したボレロジャケットとキャミソールドレスアンサンブルのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第三十六章 ボレロジャケットとキャミソールドレスアンサンブル のパターンメーキングとデジタルトワルチェック
1. ジャケット・プリンセススローパーから身頃パネルラインパターンをつくる
【図1】①前回コラム 第三十五章 図1で使用したジャケット・プリンセススローパー身頃を②ウエスト線(緑線)で切り離したスローパーを用意する。
【図2】後身頃と後脇身頃、前身頃と前脇身頃を緑丸印で突き合わせる。スローパーのウエスト線(緑線)から25mm平行に丈を短くする。
②切り開き線(赤線)を図の様にひく。
2. 必要な「ゆとり」をマニピュレーションで前後身頃と袖に切り開く
【図3】①赤丸印を回転中心にして図の寸法を開く。
②切り開いた袖ぐり線、前襟ぐり線をつなげる(緑線)。前後ウエストダーツ幅を両側で10mm狭める(緑線)。
【図4】①ウエストダーツからパネルライン(緑線)をひく。
②その線で後身頃、後脇身頃、前脇身頃、前身頃に切り離す。
➂ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」でトワルを組み立てパネルラインシルエットを確認する。
【図5】①図3①の袖ぐり切り開き位置に合わせて、あらかじめ作成していた1枚袖に切り開き線(赤線)をひく。
②図の数値を平行に切り開き袖を調整する。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、図4➂で組み立て済みの身頃に作成した1枚袖を付けて確認する。
【図6】①前身頃と後身頃の袖ぐり線カマ位置を突き合わせ、②その上に袖の目カマ位置を重ねて身頃袖ぐり線と袖山線のマッチングを確認する。
3. 1枚袖から2枚袖を作成する
【図7】①袖パターンの前後シルエット線を20mm前側に移動(赤線)、その線をミラー軸にして畳み直し袖の目(赤線)をつくる。袖中心線を袖山ノッチ位置(緑線)へ移動する。袖下線(青線)をひく。
②畳んだ袖(赤線)をシルエット線の内側で取り出す。
➂袖口線を前に15mm出し袖口幅260mmの1/2の130mmを後側へひく。
④袖口線中点と袖山ノッチを結び袖中心線とし、直角に袖口線を取り直す。前後シルエット線を図のように修正する。
⑤その線を曲線にする。
⑥内袖と外袖を図のように製図する。
⑦内袖を取り出し反転する。
4. 2枚袖のトワルチェックをする
【図8】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立てパネルラインシルエット2枚袖を確認する。
5. 前後身頃と外袖を統合し、続き袖をつくる
【図9】①図4の前後身頃と図7の外袖を用意する。
②袖山ノッチから前後に15mm位置にノッチを付けそれぞれⓐ、ⓑとする。
【図10】①ノッチⓐに後身頃の肩先、ノッチⓑに前身頃の肩先を突き合わせ、その位置(赤丸印)を回転中心に前後身頃を袖山線に突き合わせ統合する。
②袖中心線上に袖山ノッチから90mmを取りⓒとし、ⓐとⓒ、ⓑとⓒを結び袖山ダーツ(緑線)をひく。前後肩線60mmの位置にノッチを付ける。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て続き袖のシルエットを確認する。
6. フラットカラーをつくる
【図11】①前中心線が垂直になるようパターンを配置し、後身頃の中心線、襟ぐり線、肩線(赤線)をコピーし、図のように前肩線に突き合わせる。
②襟ぐり線を10mm繰り込む。
➂サイドネックポイントと裾線30mm位置を結び前端線とする。
④前端線から右側部分を消し、サイドネックポイント(赤丸印)を回転中心に肩線ノッチ位置で後身頃を前身頃に15mm重ねる。
⑤後身頃襟ぐり線(黒線)と同寸を後中心線で5mm下げた位置からひき、襟パターンの襟腰線(赤線)とする。その線に直角に交わる襟後中心線70mmをひく。
【図12】①襟外回り線(緑線)をひく。釦20mm1個を付ける。
②襟付け線(黒線)を後中心襟腰から8mm出し図のようにひく。
➂外袖に釦18mm×4個を付ける。
④ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、襟トワルを組み立てボレロジャケットが完成する。
【図13】①完成したボレロジャケットパターンを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合・表示設定で、フラワープリント(ゴールド×ホワイト)を貼り付け、➂トワルを組み立て確認する。
7.キャミソール ドレスをつくる
【図14】予め「モデリア ファム ミリュ トルソ」から作成したHラインシルエットパターンを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
【図15】①Hシルエットパターン前後身頃を用意し、図のように襟ぐり・肩紐線と袖ぐり線(緑線)をひく。
②赤丸印を回転中心にサイドダーツを閉じて、バスト線に開く。
➂バスト切替線(緑線)を図のようにひく。
【図16】①完成したキャミソールドレスパターンを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
➂表示設定で、ギンガムチェック(ゴールド×ホワイト)を貼り付ける。
【図17】①図16(A)「モデリア ファム ミリュ トルソ」に着せたキャミソールドレスの上に図13(B)「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」で作成したボレロジャケットを重ね着し、コーディネートチェックする。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |