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第三十五章 オフショルダージャケットとドレスアンサンブルのパターンメーキングとデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」 と「モデリア ファム ミリュ トルソ」を使用したオフショルダージャケットとドレスアンサンブルのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第三十五章 オフショルダージャケットとドレスアンサンブル のパターンメーキングとデジタルトワルチェック

1. ジャケット・プリンセススローパー(2枚袖)をトワルチェックする

【図1】①「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」からあらかじめ作成していたジャケット・プリンセススローパー(2枚袖)を3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図1

2. ジャケット・シルエットパターンを作成する

【図2】①ジャケット・プリンセススローパーのウエスト線を35mm上に移動し(緑線)、前中心線から持出し線65mmをひく。
②後中心線をウエストから裾線へ10mm削り(緑線)修正する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図2

【図3】①㋑前身頃のバストポイントと襟ぐり線中点を結び切り開き線とする。㋺赤丸印を回転中心に、襟ぐり線に5mm開く。㋩襟ぐり線を引き直し、脇身頃(赤線)を前身頃バストポイントに突き合わせる。
②赤丸印を回転中心に肩ダーツを閉じ、前脇身頃を前身頃に統合する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図3

【図4】①ウエストダーツ(緑線)を15mm脇側へ移動し、バスト線から25mm控えてひき直す。
②ジャケット・シルエットパターンを整理し完成させる。
➂前身頃持ち出し線から20mmの位置に釦23mm×2個を付ける。外袖に釦18mm×4個を付ける。フラップを図のように製図し、前身頃に付け線位置をひく。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図4

3. オフショルダーカラーをつくる

【図5】①後襟ぐり線(緑線)を、中心線ネックポイントから25mm下げ、脇身頃の肩先から50mm位置でひき直す。
②前襟ぐり線(緑線)を、前身頃持出し線とウエスト線交点ⓐと肩線上ⓑを結び引く。ⓑから水平に18mm×2をとった位置をⓒとしⓐと結ぶ。その中線(点線)を、ラペル襟腰線とする。
➂ラペル線と上襟線の一部(赤線)を図のようにひく。ラペル襟腰線をミラー軸に上襟とラペル線を反転する。
④ⓒから直角三角形高さ150mm底辺35mm斜線ⓒⓓをひく。その線に直角に交わる後中心線上に図の寸法をとり予めひいておいた上襟線と繋げ襟を作成する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図5

【図6】①ラペル襟腰線(点線)をミラー軸に上襟を反転する(赤線)。ゴージラインを上襟付け線まで延長(青点線内)する。
②上襟を取り出し、身頃の後襟ぐり線(●+▲寸法)と同寸に上襟付け線寸法を調整する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図6

4.オフショルダージャケットをトワルチェックする

【図7】完成したオフショルダージャケットのパターンを整理する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図7

【図8】①3Dメニュー[配置]でデジタルボディに半身パーツ(右半身)を配置する。
②ボディの腕を表示する。
➂ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合、袖の据わり角度が図の位置で処理を停止し、ボディの腕を外す。3Dメニュー[ミラー設定』半身パーツ表示を全身パーツ(上前、下前)表示に変更し正面、右側面、背面からトワルチェックする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図8

【図9】①3Dメニュー[PMプリフォーム]生地「無色」の表示設定から「市松格子柄」の塗りつぶし表示設定にして、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図9

5.ドレス・ベーシックスローパーをトワルチェックする

【図10】①「モデリア ファム ミリュ トルソ」からあらかじめ作成していたドレス・ベーシックスローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図10

6.ドレスパターンを作成する

【図11】①後上身頃に切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印(ダーツ先)を回転中心に肩ダーツを閉じる。
➂左側ダーツ長さに右側ダーツを合わせて襟ぐり線を調整(赤線)しネックダーツにする。
④前身頃の肩ダーツとウエストダーツ先をそれぞれバストポイントまで延長する。
⑤赤丸印を回転中心に肩ダーツを閉じ、ウエストダーツ1本にする。
⑥前後上身頃を肩線で突き合わせ、襟ぐり線と袖ぐり線(ノースリーブなので脇線を15mm延長)を図のように引き直す。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図11

【図12】①スカート丈を715mmに延長し、前後上身頃ウエストダーツ先をバスト線から図の寸法を控える。スカートのウエストダーツ先から裾線に切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に裾線で40mm 裾脇線で20mm切り開く。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②全身トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図12

【図13】①3Dメニュー[PMプリフォーム]生地「無色」の表示設定から「水玉柄」の塗りつぶし表示設定にして、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図13

7.オフショルダージャケットとドレスをコーディネートする

【図14】①デジタルボディの「モデリア ファム ミリュ トルソ」にオフショルダージャケットを着装する。
②その下にドレスを重ね着してコーディネートを完成する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図14

【図15】①生地塗りつぶし設定で、②それぞれのカラーコーディネート・バランス確認をする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.35_図15

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード