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第三十四章 オフショルダージャケットとラップスカートスーツのパターンとデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「モデリア ファム ミリュ トルソ」を使用したオフショルダージャケットとラップスカートスーツのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第三十四章 オフショルダージャケットとラップスカートスーツのパターンとデジタルトワルチェック

1. 2面トルソスローパーのウエストダーツを移動する

【図1】①コラムVol.32の図1で使用した2面トルソスローパーをショート丈520mmにし、前後センターダーツ(赤線)を脇側へ移動、後補助ダーツ分量は後中心で削り、前補助ダーツ分量は前脇線で削る。
②前ダーツ先をバスト線に短縮し、不要な線を消してパターン整理する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図1

2.マニピュレーションで身頃にゆとりを分散し、袖スローパーを調整する

【図2】①前後身頃に切り開き線(赤線)を図のようにひく。
②パネル線(緑線)をウエストダーツからひく。
➂パネル線で4面に切り離し、袖ぐり線の切り開き位置に合わせ、袖スローパーに図のように切り開き線をひく。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図2

【図3】①㋑赤丸印を回転中心に、後肩ダーツを閉じ袖ぐり線に開く。前肩ダーツを閉じ襟ぐり線に10mm、袖ぐり線に5mm開き残りのダーツ分量をパネル線に開く。身頃裾線をパネル線に対して直角(赤線)になるよう修正する。㋺袖ぐり線に開いた分量を袖幅と袖山に開き調整する。
②切り開いた前襟ぐり線、袖ぐり線、袖山線をつなげた後に3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図3

3. 1枚袖から2枚袖を作成する

【図4】①袖パターンの前後シルエット線を20mm前側に移動(赤線)、その線をミラー軸にして畳み直し袖の目(赤線)をつくる。袖中心線を袖山ノッチ位置(緑線)へ移動する。袖下線(青線)をひく。
②畳んだ袖(赤線)をシルエット線の内側で取り出す。
➂袖口線を前に15mm出し袖口幅260mmの1/2の130mmを後側へひく。
④袖口線中点と袖山ノッチを結び袖中心線とし、直角に袖口線を取り直す。前後シルエット線を図のように修正する。
⑤その線を曲線にする。
⑥内袖と外袖を図のように製図する。
⑦内袖を取り出し反転する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図4

【図5】① 前後脇身頃を袖ぐり線カマ位置で突き合わせ、外袖の袖の目(緑線)を重ね袖ぐり線と袖山線のマッチングを確認する。
② 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図5

4. 外袖の袖山にダーツをつくる

【図6】①外袖の袖山ノッチから左側へ15mm、右側へ10mmとりⓐ、ⓑとする。
②袖山ⓐに後身頃の肩先、袖山ⓑに前身頃の肩先を突き合わせ図のように配置する。
➂㋑袖中心線上に90mm位置ⓒをとり、 ⓐとⓒⓑとⓒ(赤線)を結び袖山ダーツを作成する。㋺袖山ダーツ部分を拡大図で示したので確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図1

5. オフショルダーカラーを作成する

【図7】①前中心線が垂直方向になるよう配置し、その線から70mmの前端線(赤線)をひく。
②オフショルダーカラーの襟ぐり線(緑線)を図のようにひく。
➂㋑上襟外回り線、ゴージライン、ラペル外回り線(赤線)をそれぞれひく。㋺拡大図で襟とラペル部分を示したので確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図7

【図8】①突き合わせた後身頃、前身頃、袖、上襟ⓧとⓨ各パーツを取り出す。
②上襟ⓧパーツの収まりが良いようにⓧⓨの角(緑線)部分をカットする。㋺2つのパーツを突き合わせ(赤点線)、肩部分の丸みに沿うようダーツにする。㋩上襟ⓨ(緑線)を前身頃ラペルのゴージラインと突き合わせる。
➂ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図8

6. 完成したオフショルダージャケットのトワルチェックをする

【図9】①前身頃に釦23mm×6個、外袖に釦15mm×3個を製図する。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で㋑縫合、㋺格子柄生地塗りつぶし設定をし、➂トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図9

7. ストレートスカートスローパーからAラインスカートシルエットパターンをつくる

【図10】①ウエスト線から25mm下げ、丈460mmのあらかじめ作成したストレートスカートスローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
➂切り開き線(赤線)をひき、④赤丸印を回転中心に図の数値を開く。
⑤ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図10

8.ウエスト2本ダーツを1本ダーツに修正する

【図11】①㋑後ウエスト赤矢印線の1⁄3ⓓとダーツ先間青矢印線の1⁄3ⓔを直線で結んだ位置に25mmのダーツを取り直す(緑線)。㋺前ウエスト線も同様にⓕとⓖを直線で結んだ位置に20mmのダーツを取り直す(緑線)。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図11

【図12】①前スカートの中心線でミラー展開し、ラップ(巻き)スカートの仕上がり線(緑線)を図の様にひく。赤丸印を回転中心にウエストダーツを閉じる。
②ラップスカートパーツを取り出す。
➂釦15mm×2個を図の位置に付ける。
④ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図12

9. 完成したラップスカートのトワルチェックをする

【図13】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で㋑縫合、㋺格子柄生地の塗りつぶし設定をし、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図13

10. オフショルダージャケットとラップスカートスーツをコーディネートする

【図14】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.34_図14

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード