第三十二章 バージャケット・パンツスーツのパターンとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「モデリア ファム ミリュ トルソとモデリア ファム ミリュ パンツ」を使用したバージャケット・パンツスーツのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第三十二章 バージャケット・パンツスーツのパターンとデジタルトワルチェック
1. 2面トルソ・スローパー(1枚袖)のデジタルトワルチェックをする
【図1】①「3Dボディフォーム・モデリア ファム ミリュ トルソ」からあらかじめ作成した2面トルソ(背丈)・スローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。パターン仕上がり寸法は、ボディ寸法に合わせている。
2. 4面トルソ・スローパーをつくる
【図2】①ウエストダーツ(点線)を赤線ダーツ位置へ移動する。
②不要な線を消して図の様に展開線(赤線)をひく。
➂㋑赤丸印を回転中心にして袖ぐり線に開く。ウエスト線交点からパネル線をひく。㋺前後袖ぐり線(緑線)と脇線を引き直す。
3. 4面トルソスローパーのデジタルトワルチェックをする
【図3】① 図2で完成した4面トルソスローパー身頃を3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。
4. 前身頃と前脇身頃に浮きポケット口線をひく
【図4】①3Dメニュー[PMプリフォーム・線作成機能]で、②㋑基点35mmで㋺トワルダーツ線をクリック、➂㋑基点80mmで、トワル脇線をクリックする。
④Enterキーを押し、前と前脇身頃トワルにポケット口線(青線)をひく。
⑤型紙に反映ボタンを押し、⑥前と前脇身頃パターンにポケット口線を反映する。
5. マニピュレーションで身頃にゆとりを分散し、2枚袖を作成する
【図5】①身頃と袖に図のように「ゆとり分散」する展開線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に、後肩ダーツを閉じ袖ぐり線に開く。前肩ダーツを閉じ襟ぐり線に10mm、袖ぐり線に10mm開き残りのダーツ分量をウエストダーツに開く。肩パットの厚み分を前後袖ぐり線に5mm開く。身頃袖ぐり線に開いた分量を袖幅と袖山に開き調整する。
【図6】①前ページ図5の袖パターンを畳み袖の目をつくる。
②袖口線130mm(260mmの1⁄2)中点から袖中心線をひく。前後シルエット線をひく。
➂前後シルエット線両側に外袖・内袖接ぎ線をひく。
④内袖を外袖から取り出し反転する。不要な線を消してパターン整理する。
⑤ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、組み立て確認する。
6. 前身頃の続きポケットをつくる
【図7】①前身頃と前脇身頃を用意する。
②パーツBとCを突き合わせる。
➂パーツAを突き合わせる。
④パーツAとBを合わせて3等分し、赤丸印を回転中心にポケット口線で8mmずつ浮き分を開く。
⑤ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、⑥組み立て浮きポケットを確認する。
7. テーラード襟をつくる
【図8】①前後身頃の襟ぐり線を図の様に繰り下げ、前中心線に持ち出し20mmを付ける。
②ネックポイントから襟腰分25mm垂直に、羽根分40mmをとり後襟外回り線(緑線)をひく。
【図9】①前後身頃の肩線を突き合わせ、ラペル返り線を点ⓐとネックポイントから40mm、更に肩線に平行に20mmの位置ⓑを結びひく。上襟とラペルのデザイン線(点線)をひく。
②ラペルデザイン線を反転し、ゴージラインをひき襟ぐり線を完成する。襟付け線寸法(実線)ⓧを半径とする円弧を㋑`から描く。後襟外回り線寸法(一点鎖線)ⓨを半径とする円弧を㋺から描く。2つの円弧に外接する襟後中心線65mmをひく。図のように上襟を完成する。
➂上襟を取り出す。
8.身頃と袖にボタンを付ける
【図10】前身頃に釦23mm×3個、外袖に釦20mm×4個を図の位置に付ける。
9.完成したバージャケットをトワルチェックする
【図11】① 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。
10. パンツ・スローパーのデジタルトワルチェックをする
【図12】①「3Dボディフォーム・モデリア ファム ミリュ パンツ」からあらかじめ作成したパンツ・スローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。
パターン仕上がり寸法は、ボデイ寸法に合わせている。
11. スリムパンツをつくる
【図13】①赤丸印を回転中心に、後中心線をヒップ線で35mm倒す。前後ウエストダーツを1本に修正し、残りのダーツ分量を脇線カット及びいせ込み処理で調整する。
【図14】①図12のパンツを用意し、前後センタープレス線両側に25mmのカット線を図の様にひく。
②各パーツをセンタープレス線に突き合わせ、スリムパンツをつくる。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、④組み立て確認する。
12. 完成したバージャケット・パンツスーツのトワルチェックをする
【図15】①表示設定・塗りつぶし(テクスチャー)柄サイズ1800%オレンジ格子柄で②生地柄を設定する。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |