第四十章 ビスチェ風テーラードジャケットとサイドプリーツスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニュー キプリス レギュラートルソ9AR・R」 を使用し、ビスチェ風テーラードジャケットとサイドプリーツスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第四十章 ビスチェ風テーラードジャケットとサイドプリーツスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
1.プリンセスライン・スローパーをトワルチェックする
【図1】①ニュー キプリス レギュラー9AR・R トルソのデジタルボデイから予め作成した着丈550mmプリンセスライン・スローパーを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
2.プリンセスラインジャケット・シルエットパターンをつくる
(1)マニピュレーションで身頃を切り開く
【図2】①プリンセスライン・スローパーを用意し、ウエスト線を25mmハイウエスト位置(緑線)に移動する。切り開き線(赤線)を図のようにひく。
②赤丸印を回転中心に、第四ノッチと第二ノッチと第一ノッチに5mm開く。第三ノッチと前襟ぐりにはテーラードカラーに必要なゆとり10mmを開く。
➂切り開いた前後袖ぐり線、脇線、前襟ぐり線(緑線)を繋げる。
④袖スローパーの袖山線は、身頃袖ぐり線に合わせて切り開かずそのまま使用する。
(2)プリンセスラインを脇側へ移動する
【図3】①前後脇身頃プリンセスラインに25mm平行な線(緑線)をひく。
②緑線で囲ったパーツを切り離し、前後身頃に突き合わせる。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
(3)袖口ダーツ有り1枚袖をつくる
【図4】①図2④の袖スローパーを用意する。
②前後シルエット線(緑線)から内側を抜き出し、袖口線中点と袖幅線交点を結び袖中心線をひく。肘線前で5mm、後で10mm繰り込み新たな前後シルエット線(赤線)をひく。
➂肘線から上と下に分けシルエット線(赤線)をミラー軸に開く。
④プリンセスラインジャケット・シルエットパターンが完成。
【図5】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で袖の縫合設定をし、身頃トワルに付けて確認する。
3.ビスチェ風テーラードジャケット・デザインパターンをつくる
(1)前身頃のブラカップパーツをつくる
【図6】①前身頃と前脇身頃を用意し、②緑線で突き合わせ1つのパーツに統合する。ウエストダーツ線(緑線)を25mm中心側へ戻す。
➂切替線(緑線)を図の位置にひく。
【図7】①ウエストダーツ中心線とバスト線交点をⓐ、15mm下がった交点をⓑ、下側切替線角(緑線)をⓒとする。ⓑを中心とする半径ⓑⓒ(ピンク線)のブラカップ円弧を描く。
②下側切替線(緑線)を脇側へ延長し、ブラカップ円弧との交点をⓓとする。
➂㋑統合した前身頃から、前脇身頃パーツ(緑線)を取り出す。㋺前身頃パーツ(青色)を取り出し、㋩切替線を図のように8mm繰り込む。㋥ブラカップパーツ(黒の斜線)AとBをそれぞれ取り出す。
【図8】①図7➂㋑で取り出した前脇身頃切替に5等分した切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に下線を各5mm開く。
➂切替下線を2等分し、ブラカップパーツ接ぎ線を図のように同寸に修正する。
④3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
(2)クレセントキャップ(三日月形袖山)スリーブをつくる
【図9】①図4④の袖を用意する。
②㋑袖山丈を10mm低くし、3等分したⓐから曲線(緑線)をひき袖山線との交点をⓑⓒとする。囲った部分を三日月パーツとする。第二、第四ノッチをその位置へ移動する。㋺6等分した切り開き線(赤線)をひく。
➂三日月パーツを取り出す。袖口線の赤丸印を回転中心にⓐを左右に15mmそれぞれ開く。袖山線(赤線)をひき直す。
④㋑三日月パーツを用意し、㋺赤丸印を回転中心に底辺を20mm各々開く。㋩線を整理して引き直し、㋥三日月パーツを完成させる。
【図10】①完成したクレセントキャップスリーブパターンを用意し、②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、身頃に付けて確認する。
(3)テーラードカラーをつくる
【図11】①㋑前身頃と後身頃を用意し、肩線で5mm繰り下げる。㋺後襟外回り線を襟被り分15mmでひく。
②前後身頃肩線を突き合わせる。前中心線から20mm幅の持ち出し線をひく。持出し線上25mmのⓐと襟ぐり線25mm下から20mmの直線ⓑを結びラペル返り線(緑線)とする。上襟とラペルのスケッチ(赤線)を図の寸法でひく。
【図12】①ラペル返り線ⓐⓑをミラー軸に、ラペル線(緑線)を反転する。ゴージラインを25mm延長し襟ぐり線(赤線)をひく。襟ぐり線をラペル返り線ミラー軸に反転する。
②ⓒを中心に襟付け寸法ⓧの円弧を描く。ⓓを中心に後襟外回り寸法ⓨの円弧を描く。2つの円弧に外接する襟後中心線上に襟腰分25mmと羽根分40mmをとり上襟線(緑線)をひく。
➂上襟を取り出し反転する。
④前身頃に釦23mm×1個、袖口ダーツに釦18mm×3個を図のように付ける。前裾線をカットし、フラップポケットを付ける。
⑤3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、上襟、フラップポケットを組み立て確認する。
4. Aラインサイドプリーツスカート・デザインパターンをつくる
(1) マニピュレーションでフレアスカート・デザインパターンの裾幅を修正する
【図13】①Vol.39図8で作成したフレアスカート・デザインパターンを用意する。
②赤丸印を回転中心に、裾幅を図の寸法に狭める。
➂㋑前スカートのウエストダーツ中心線を裾線まで延長しサイドプリーツ線とする。㋺プリーツ襞幅40mmでサイドプリーツを展開する。
【図14】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
5.ビスチェ風テーラードジャケットとサイドプリーツスカートをコーディネートをする
(1) セットアップ(上下同一の生地)・コーディネートをする
【図15】①前後脇身頃に細かいチェック柄を配したデザイン、上下アイテムを同一の生地で統一したコーディネートをする。
(2) セパレーツ(上下異なる生地)・コーディネートをする
【図16】①前後脇身頃に細かいチェック柄を配したデザイン、上下アイテムを異素材でコーディネートをする。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月に デジタルトワル 研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |