第三十九章 ポイントショルダースリーブジャケット、フレアスカート、ラップパンツのパターンメーキング と デジタルトワル チェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニュー キプリス レギュラートルソ9AR・R」 と「ニュー キプリス レギュラー9AR・R パンツ」を使用し、ポイントショルダースリーブジャケット、フレアスカート、ラップパンツのパターンメーキング と デジタルトワル チェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第三十九章 ポイントショルダースリーブジャケット、フレアスカート、ラップパンツのパターンメーキング と デジタルトワル チェック
1. 上身頃タイト・スローパーをトワルチェックする
【図1】①ニュー キプリス レギュラー9AR・R トルソ のデジタルボデイから予め作成した上身頃タイト・スローパーを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
2. ポイントショルダースリーブジャケット・シルエットパターンをつくる
【図2】①㋑タイトスローパー前上身頃を用意し、㋺赤丸印を回転中心に、緑線パーツをサイドダーツに突き合わせ、ウエストダーツ1本にする。
②切り開き線(赤線)を図の位置にひく。
➂㋑赤丸印を回転中心に、後袖ぐり線に10mm、前袖ぐり線に5mm開く。㋺赤丸印を回転中心に肩ダーツを閉じ、後襟ぐり線に開く。㋩図のようにダーツの長さを合わせ④ネックダーツとする。
【図3】①図2で作成した上身頃の袖ぐり線を1本につなげる(緑線)。スローパーの袖山線を15mm下げ(緑線)いせ込み分量を25mmに調整する。
②第四ノッチⓐから水平線をひき前袖ぐり線との交点をⓑとする。第二ノッチをⓑへ移動(▲寸法)する。
➂袖山のⓐⓑを底辺とする二等辺三角形をひく(緑線)。後上身頃ⓒからⓓ、前上身頃ⓔからⓕの肩線をそれぞれひく。
④ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立てシルエットパターンを確認する。
3. ポイントショルダースリーブジャケット・デザインパターンをつくる
【図4】①後上身頃に切り開き線(赤線)をひき、②赤丸印を回転中心に後ウエスト交点に10mm、前後脇線角に5mm開く(赤線)。前ウエストダーツ線両側を中心へ5mm移動する(赤線)。切替線(緑線)をウエスト線から70mm平行にひく。
➂㋑上身頃とウエスト切替を切り離す(緑線)。㋺ダーツ線(赤線)をそれぞれ突き合わせ前後ウエスト切替パーツに統合する。前後ペプラムを図の数値でつくる。
④㋑前後ペプラムを4等分した切り開き線(赤線)をひく。㋺図の数値を切り開く。
【図5】①図3➂で作成したポイントショルダースリーブを用意し、前後袖幅線を2等分したシルエット線(緑線)をひき、ミラー軸に折り返し袖の目(緑線)をつくる。
②緑線から内側を抜き出し、袖口線中点と袖幅線交点を結び袖中心線をひく。肘線で10mm繰り込み新たな前後シルエット線(赤線)をひく。
➂肘線から上と下に分けてシルエット線(赤線)をミラー軸に開く。
④前ウエスト切替中心線に釦10mm×4個、袖口ダーツに釦10mm×4個を図のように付ける。
⑤ ㋑3Dメニュー[PMプリフォーム]機能・線作成ボタンを押し、㋺トワルをクリックして前襟ぐり線(緑線)を描く。㋩型紙に反映ボタンを押し、㋥前上身頃パターンに襟ぐり線を反映する。
【図6】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
4. フレアスカート・デザインパターンをつくる
【図7】①ニュー キプリス レギュラー9AR・R トルソ より予め作成したスカートスローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立てる。デジタルボディ前腰骨の高い位置(緑円)を頂点に、前後ウエストダーツ先を結び中ヒップ線(緑点線)を描く。
②トワルに線を反映しベルトを付けてスカートスローパーを確認する。
➂切り開き線(赤線)をひく。
④スカート丈を850mmに延長し、赤丸印を回転中心に裾を開く。前後2本のウエストダーツを図の様に1本(緑線)に修正しウエスト線角を7mmカットしてウエスト線寸法を調整する。
【図8】① 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
5. ラップパンツ・デザインパターンをつくる
【図9】①ニュー キプリス レギュラー9AR・R パンツ のデジタルボデイから予め作成したパンツ・スローパー(ウエスト1本ダーツ)を②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
➂㋑3Dメニュー[PMプリフォーム]機能・線作成ボタンを押し、㋺トワルをクリックしてラップ山線(緑線)を描く。㋩型紙に反映ボタンを押し、㋥右前、左前パンツパターンにラップ山線を反映する。
【図10】①右前、左前パンツパターンを股ぐり線で突き合わせる。ラップ谷線(赤線)をⓧⓨでひく。図9でひいたラップ山線をⓩⓨとし、その左側をパーツA(緑線)とする。
②右前パンツをラップ谷線ⓧⓨで取り出しパーツBとする。
➂谷線をミラー軸にⓧⓩⓨを反転する。
④図①よりパーツA(緑線)を取り出す。
⑤パーツAとパーツBをラップ山線で突き合わせて統合し右前パンツとする。
⑥べルトを下図のように作成し、釦10mm×1個を付ける。
【図11】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
6. ポイントショルダースリーブジャケット、フレアスカート、ラップパンツを組み合わせてコーディネートチェックをする
【図12】① 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、ジャケットとスカートを2種類の生地で組み合わせたセパレーツ・コーディネートと②1種類の生地で組み合わせたセットアップ・コーディネートを確認する。
【図13】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、ポイントショルダースリーブジャケットとラップパンツを1種類の生地で組み合わせたセットアップ・コーディネートを確認する。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月に デジタルトワル 研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |