第三十三章 重ね着風4面構成ジャケットとジョッパーズパンツスーツのパターンとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」と「モデリア ファム ミリュ パンツ」を使用した重ね着風4面構成ジャケットとジョッパーズ(乗馬用)パンツ・スーツのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第三十三章 重ね着風4面構成ジャケットとジョッパーズパンツスーツのパターンとデジタルトワルチェック
1. ジャケット・スローパーのウエストダーツ位置を移動し、デジタルトワルチェックをする
【図1】コラムVol.31図3で作成した「ジャケットスローパー」の肩ダーツ、ウエストダーツ、前後中心線ウエストノッチ、前後脇線ウエストノッチを図の位置(緑線)へ移動する。
【図2】①修正したパーツを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。パターン仕上がり寸法は下記のとおりである。
2. ジャケット・スローパーから外側パーツを取り出し重ね書きの状態で4面分割する
【図3】①着丈を680mmに延長した前後身頃を用意し、外側パーツ取り出し線(緑線)をひき、脇線裾を8mm出して広げる。ウエストダーツからパネルダーツ線(赤線)を図のようにひき、前身頃、前脇身頃、後脇身頃、後身頃の4面に分割する。
②取り出した外側パーツに切り開き線(赤線)をひく。前脇身頃切り替え線下をパーツAとする。
3. 4面パーツに切り離し、マニピュレーションする
【図4】①パネル線で4面パーツに切り離し、赤丸印を回転中心に、図の数値を開く。前脇身頃からパーツAを取り出す。
②パーツAを前身頃に突き合わせ赤丸印を回転中心に裾で8mm開く。
➂前脇身頃切り替え線をⓐ、前身頃上切り替え線をⓑとし、前身頃下切替線がⓐ+ⓑになるよう脇線位置をカットする。
【図5】襟ぐり線、袖ぐり線を引き直しパターン整理する。前身頃ウエストダーツ先を40mmバスト線より下へ控える。
4. ジャケット1枚袖スローパーから2枚袖を作成する
【図6】①前身頃、前脇身頃、後脇身頃、後身頃を図の様に突合せる。
②身頃袖ぐり線で開いた数値(赤線)を袖スローパー中心線と袖山線平行に開く(赤線)。
【図7】①前後袖幅線を等分したシルエット線をミラー軸に畳み、袖の目(赤線)を作る。
②前後シルエット線を20mm前側へ移動、ミラー軸にして畳み直し袖の目(赤線)をつくり直す。袖脇線(緑線)をひく。袖中心線(赤線)は袖山ノッチへ移動する。
➂畳んだ袖を取り出し、④袖口線(黒線)を右側に15mm出し袖口幅260mmの1⁄2の130mmを左側へひく。袖口線中点と袖山ノッチを結び袖中心線(赤線)とする。袖口線(赤線)を直角に取り直す。
⑤前後シルエット線(赤線)を引く。
⑥その線(赤線)に平行な内袖、外袖の脇線をひく。
【図8】①内袖を取り出し反転する。②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て袖の(ア)据わり、(イ)振り、(ウ)肘線から下の捻りを確認する。
5.内側パーツを取り出し、前持ち出し線、裾線をつくる
【図9】①図3①のジャケットスローパーを用意し、内側パーツ(赤線)を確認する。
②前中心線に25mm平行な持ち出し線、前端線、裾線(緑線)をひく。
➂内側パーツを取り出す。
6.テーラードカラーを作成する
【図10】前後身頃襟ぐり線を図の様に繰り込む。
【図11】①後襟外回り線をひく。バスト線の上25mm交点ⓐからⓑをひきラペル返り線とする。上襟とラペル仕上がり線(赤線)をひく。
②肩線で前後身頃を突き合わせ、ラペル返り線で反転し、ゴージラインを延長し前襟ぐり線を完成する。
➂㋑前襟ぐり線を反転したⓒを中心にⓧ寸法の円弧を描く。ⓔを中心にⓨ寸法の円弧を描く。2つの円弧に外接する襟後中心線を70mmとし、襟腰線をひいて上襟を完成させる。㋺上襟を取り出す。
7.ボタン付け、パチポケット、胸箱ポケット、袖にエルボーパッチを付ける
【図12】①身頃前中心線に釦23mm×3個付ける。
②外袖脇線に釦18mm×3個付ける。
➂前後の内側パーツを用意し、パチポケット付け線(緑線)をひく。パチポケットを取り出す。
④胸箱ポケット(着用時は、下前のみ)をひく。
⑤内袖と外袖を用意し、エルボーパッチ(肘当て)取り出し線(緑線)をひく。
⑥パーツBとパーツCを取り出す。
⑦接ぎ線で突き合わせる。
⑧3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
8.スリムパンツスローパー(後ウエスト1ダーツ)のトワルを確認する
【図13】①あらかじめ作成しておいたスリムパンツスローパー(後ウエスト1ダーツ)を、3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
9.前スリムパンツスローパーの脇線をジョッパーズパンツの脇線に修正する
【図14】①3Dメニュー[PMプリフォーム]の機能・線作成ボタンを押し、②先に組み立てたトワルにジョッパーズパンツの前脇線(緑線)をフリーハンドで描く。
➂型紙に反映ボタンを押し、④脇線が前パンツパターンに反映される。
⑤膝から下の脛部分にフィットしたパンツシルエットを作成する。
10.後ジョッパーズパンツの上と下パーツをつくる
【図15】①スリムパンツスローパーの股上線から上を共通とし、(1)ジョッパーズパンツの股下線、脇線をひく。膝裏にフィットさせるためのダーツ間口30mm、長さ160mm をひき、上パーツ(赤線)とする。(2)ジョッパーズパンツ下パーツの膝線に間口40mm、長さ160mm、裾線に間口30mm、長さ200mmのダーツをとり、下パーツ(赤線)とする。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
11.ローウエストのヨーク切替にし、後フラップポケット、前スラッシュポケットをつくる
【図16】①30mm繰り下げたローウエスト線(緑線)にする。50mm幅のヨーク切替線(黒線)をひく。
②前後ヨークを取り出し、赤丸印を回転中心にダーツを畳み後ヨークを完成させる。
➂㋑腰フラップを作成し、10mm×1個の釦を付ける。㋺後パンツ腰部分の付け位置を記入する。㋩ポケット切替布を取り出す。
④3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て完成したジョッパーズパンツを確認する。
12.完成したジョッパーズパンツのトワルチェックをする
【図17】①㋑完成したジョッパーズパンツのパターンと㋺仕上がり寸法を確認する。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で塗りつぶし柄サイズ700%で、➂縫合設定トワルを組み立て確認する。
13.完成した重ね着風4面構成ジャケットのトワルチェックをする
【図18】 ①㋑完成した重ね着風4面構成ジャケットのパターンと㋺仕上がり寸法を確認する。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で塗りつぶし、柄サイズ800%で、➂縫合設定、トワルを組み立て確認する。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |