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第三十一章 レディス3面構成テーラードスーツのパターンとデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

株式会社キイヤより最新リリースされた「3Dボディフォーム・ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」を使用したレディス3面構成テーラードスーツのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第三十一章 レディス3面構成テーラードスーツのパターンとデジタルトワルチェック

1.トルソ・スローパーのデジタルトワルチェックをする

【図1】①「3Dボディフォーム・ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」からあらかじめ作成したトルソ(背丈)・スローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。パターン仕上がり寸法は、ボデイ寸法に合わせて作成している。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図1

2. 平面操作で幅出し、ジャケット・スローパーをつくる

【図2】①幅出しする展開線(赤線)を図のようにひく。
②線1から線11まで幅出し数値を割り当てて、➂幅全体で40mm平行に開く。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図2

【図3】①幅出ししたジャケット・スローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図3

3. ジャケット・スローパーを3面分割する

【図4】①ウエストダーツ(点線)を赤線ダーツ位置へ移動する。
②後中心線をひき直す。前後身頃脇線を15mm(赤線)離して突き合わせる。その中心線(緑線)を脇線とする。
➂㋑ウエストダーツから前後パネル線をひく。㋺前脇線(赤線)と前袖ぐり線交点(カマ位置)にノッチを付ける。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図4

4. 前後身頃をマニピュレーションで展開する

【図5】①肩線に沿って肩パットの厚みを開く展開線、肩ダーツ先から襟ぐり線袖ぐり線にゆるみとして分散する展開線を図のようにひく。
②赤丸印を回転中心に後肩ダーツを閉じ袖ぐり線に開く。赤丸印を回転中心に前肩ダーツを閉じ襟ぐり線、袖ぐり線に開き、残りのダーツ分量をウエストダーツに開く。身頃袖ぐり線を開いた分量に合わせるため袖を水平、垂直方向に開く。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図5

5. 1枚袖から2枚袖を作成する

【図6】①1枚袖を整理し、②前後シルエット線を20mm前側に移動、ミラー軸にして畳み直し袖の目(赤線)をつくる。袖下線(緑線)を引く。
➂畳んだ袖を取り出し、④スローパーの袖口線を前に15mm出し袖口幅260mmの1/2の130mmをひく。袖口線中点と袖山ノッチを結び袖中心線とする。袖口線(赤線)を直角に取り直す。
⑤前後シルエット線を引く。
⑥内袖と外袖に分割する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図6

【図7】①㋑前後脇身頃を突き合わせた袖ぐり線に袖の目(赤線)を重ねてマッチングを確認する。㋺3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②㋑身頃を組み立てる㋺袖付けをして袖の据わり/振り/捻り状態を確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図7

【図8】前後身頃襟ぐり線を図のように繰り込む。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図8

【図9】①後襟外回り線をひく。20mm幅の持ち出し線をひき、ウエスト線交点ⓐからⓑをひきラペル返り線とする。上襟とラペル線(赤線)をひく。
②ラペル返り線で反転し、ゴージラインを延長する。
➂㋑襟ぐり線を反転したⓒを中心にⓧ寸法の円弧を描く。ⓔを中心にⓨ寸法の円弧を描く。2つの円弧に外接する襟後中心線を70mmでひき、襟腰線をひいて上襟を完成させる。㋺上襟を抜き出す。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図9

【図10】①前端線(緑線)をひく。
②釦23mm×1個を付ける。
➂釦18mm×4個を付ける。
④身頃にフラップ付け寸法■+□=150mmをとる。フラップ幅150mm×丈45mmをひく。4等分した展開線をひき、赤丸印を回転中心に2mmずつ開く。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図10

【図11】① 3Dメニュー[PMプリフォーム]で前後脇身頃を縫合設定し、組み立て確認する。
②㋑外袖と内袖を配置する。㋺縫合設定し、組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図11

【図12】①丈700mmのストレートスカート・スローパーを用意し、展開線を図のようにひく。
②赤丸印を回転中心に後脇と前脇パーツを中心側へ畳み、前後脇線を裾でカットする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図12

【図13】 ①後スカート裾ベンツ明き(300mm)に修正、30mm幅のベルトを加えた全身パーツを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図13

【図14】 ①㋑ジャケット半身パーツを3Dメニュー[PMプリフォーム]㋺ミラーで縫合設定、塗りつぶし(テクスチャ)柄サイズ600%、ヘリンボン柄ブルーで②組み立て全身を確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図14

【図15】 ①㋑テーラードジャケット・スカートスーツを、 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、 ㋺ヘリンボン柄ブルーを選択して②組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.31_図15

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード