国・地域の選択

第二十九章 ギャザーヨーク切替プルオーバージャケットとマーメイドラインスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

ギャザーを寄せたプルオーバージャケットとトレンドアイテムとして注目されているマーメイドラインスカートを組み合わせたパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第二十九章 ギャザーヨーク切替プルオーバージャケットとマーメイドラインスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック

1.ジャケットスローパーをストレートスローパーに展開する

【図1】①赤丸印を回転中心にして前後脇線が垂直になるまで展開したパターンを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルチェックしてみよう。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図1]

2.マニピュレーションでヨーク切替ジャケット・シルエットパターンをつくる

【図2】①先に、ヨーク切替ジャケット・シルエットパターンにしたトワルと図1ストレートスローパーのトワルを比較する。袖の据わりが浅いシャツ袖に変更し、身頃もゆるみ入れをする事によりカジュアルなイメージが強くなるようにしよう。次にマニピュレーションの手順を解説する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図2]

【図3】①ストレートスローパーに切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に図の数値を開き、後身頃カマ位置と袖を水平に切り開く。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図3]

【図4】前肩移動の肩線にするため、後身頃ネックポイントで5mm、ショルダーポイントで10mm矢印方向に出す。前身頃ネックポイントで5mm削り、ショルダーポイントで移動0とし肩線を引き直す。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図4]

【図5】①前後袖ぐり線を40mm、袖脇線でその1⁄2の20mmを繰り込む。
②前脇線に40mm平行な切り開き線を引き、赤丸印を回転中心に左回転し裾線で10mm畳む。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図5]

【図6】①前後身頃ネックポイントを15mm開けて、肩先で突き合わせる。カマ底をむすんだ直線が水平になるように前後身頃を配置する。
②後袖ぐり線ノッチと袖山ノッチを突き合わせる。
➂袖幅線㋑~㋺に40mm平行な線をひく。袖山線と袖脇線を図のようにひき、袖を完成させる。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図6]

【図7】①3Dメニュー[PMプリフォーム]機能の「線作成」で、着せ付けたトワルにヨーク切替線をマーキング(緑線)する。
②トワル上で確定したヨーク切替線(青線)を、「型紙に反映」ボタンを押し、➂㋑パターンにヨーク切替線(緑線)を反映し記入する。㋺ヨーク切替線、前肩線、袖山線・袖脇線で5パーツに切り離す。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図7]

3.ギャザーヨーク切替プルオーバー・ジャケットを完成させる

【図8】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルチェックする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図8]

【図9】①先に、前後身頃とカフス付き袖にギャザー展開したトワルと図8のトワルを比較してみよう。ヨーク切替線でギャザーを加えることでゆったりバランスのジャケットになったことが確認できる。次に下図パターン展開の詳細について解説する。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図9]

【図10】①前後身頃を用意し、ヨーク切替線と裾線を5等分した切り開き線をひく。
②赤丸印を回転中心にして、ヨーク切替線に20mmずつ開く。
➂袖をカフス丈140mmで切り離し、ヨーク切開線とカフス接ぎ線を5等分した切り開き線と明き見せ線70mmをひく。
④20mm平行に開く。カフス接ぎ線に図のようにパフリ分を加える。
⑤カフス幅265mm(持ち出し25mm含む)丈140mmで12mm×5個の釦を付ける。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図10]

【図11】①前後襟ぐり線を、図のように繰り込む。
②前後ヨークを肩線で突き合わせ、前中心線で5mm繰り込み襟ぐり線を修正する。60mm幅の前立接ぎ線をひく。
➂襟幅線ⓐ~ⓑを図のように描く。後襟付け線外側に10mmかぶり分の平行線をひき、襟先ⓑに向かって次第に広がるように襟外回り案内線ⓒ~ⓑをひく。
④原型肩線を基点より30mm延長しⓓ、反対側に40mmとりⓔとする。前襟付け線ⓓ~ⓐと前襟外回り線ⓔ~ⓑをひく。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図11]

【図12】①図のように後襟付け線寸法ⓧと後襟外回り線寸法ⓨを求め、ⓓとⓔを中心に円弧を描き襟後中心線をひく。襟腰線をひいて襟が完成する。
②前立の中心線に、釦12mm×5個を図のように付ける。➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、④トワルチェックする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図12]

4.ゴアードスカートからマーメイドラインスカートをつくる

【図13】①スカートスローパーの丈を850mmに延長し、前後ヒップ寸法を6等分したゴアードスカートを用意する。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、➂トワルを組み立て、フレアーを出す位置にマーキング(緑線)する。
④ゴアード接ぎ線からフレアー分(赤線)を45mmずつ出す。
⑤後スカート㋑㋺㋩と前スカート㋥㋭㋬を切り離す。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図13]

【図14】①フレアー分をそれぞれ3等分し、②赤丸印を回転中心に15mm裾線で開き、➂図のように裾線を引き直し完成させる。
④全パーツとも同様にフレアー分を開き、3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、⑤トワルチェックする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図14]

5.ACS_レディス(セットイン)とHuman Bodyを使用してコーディネートチェックする

【図15】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②ジャケットとスカートのコーディネートチェックをする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図15]

【図16】①図15のパターンを使用し3Dメニュー[PMプリフォーム]設定で、表地Aをオレンジ色のギンガムチェックに、表地Bを同色系のエスニックプリントにしてコーディネートチェックする。
②表地Cをオレンジ無地色で追加して、コーディネートチェックする。

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック vol.29[図16]

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード