第二十七章 ラグラン風キモノ袖ジャケットとサイドプリーツスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
トレンディなクロプド丈のジャケットとスカートを取り上げパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第二十七章 ラグラン風キモノ袖ジャケットとサイドプリーツスカートのパターンメーキングと デジタルトワル チェック
1.ジャケットスローパーのマニピュレーションをする。
【図1】① WebコラムVol.26で使用したジャケットスローパーを用意し、着丈350mmの裾線を前後身頃にひく。
②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルチェックする。
【図2】① ジャケットスローパーに入れた裾線(赤線)を確認して、②その線から前後身頃を取り出し、裾直線をつながりが良い曲線(赤線)に修正する。前身頃補助ダーツを無くし、その分量をセンターダーツ1本に統合する。
➂後中心線を裾線で10mmカット(赤線)する。前後身頃に切り開き線(赤線)をひく。
【図3】①㋑赤丸印を回転中心に、図の数値を開く。㋺前後袖ぐり線(赤線)をひく。
②身頃の開いた同位置で袖の切り開き線をひく。
➂赤丸印を回転中心に、図の数値を開く。袖山のイセ分量が全体で40mm前後で調整する。
2.身頃肩線を前肩に移動し、身頃続きのキモノ袖を作る。
【図4】①前後襟ぐり線を1本(赤線)につなげる。
②後身頃肩線ⓐで5mm、ⓑでゆるみ5mm(ノッチ位置)+前肩に5mm移動する。前身頃肩線ⓐで5mm削り、ⓑでゆるみ5mm、前肩に移動5mmでみかけ上移動無しに修正する。
【図5】①前後袖ぐり線を20mm繰り下げる(赤線)。袖山線を10mm(袖ぐりの1/2)繰り下げる。前後シルエット線をミラー軸に折り畳み袖の目(緑線)を作る。
②前後シルエット線から袖を取り出し、カマ底から袖幅線を引き直す。
【図6】①袖中心線(点線)を袖口線で20mm前方向へ移動し、カマ底と直線で結ぶ。袖口幅250mmの1/4 、62.5mmを移動した袖中心線両側直角にとる。
②肘線を前で5mm後で10mmシルエット線(赤線)を修正する。
➂前後シルエット線をミラー軸に袖スローパーを開く。赤丸印を回転中心に、④肘ダーツを閉じ袖口に開く。
⑤3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルチェックする。
【図7】①袖山ノッチⓒから前いせ込み分ⓓと後いせ込み分ⓔに印付け、高さ100mmⓕのダーツをひく。
②ⓕから垂線をひき袖切り替え線とする。
➂前肩分5mm(赤線)移動する。
④身頃肩先(青丸印)に前後袖に切り離した袖山角を突き合わせ図のように重ねて配置する。
⑤マチ接ぎ線(赤線)を身頃と袖の脇線カマ底からそれぞれ60mm位置にひく。
【図8】①前後身頃のマチ線(赤線)を残し不要な線消去する。マチの長さを35mm短縮(赤線)し㋑、㋺とする。
②前身頃に後身頃(赤線)脇線を突き合わせる。
➂身頃側マチ線(赤線)と袖側マチ線(黒線)を取り出し、直線㋑~㋺の両側にゆとり分15mmを加え㋩と㋥とする。
④㋑~㋭を半径とする円弧を㋩中心に描く。㋺~㋭を半径とする円弧を㋥中心に描きその交点を結び身頃側マチとする。㋑~㋣を半径とする円弧を㋩中心に描く。㋺~㋠を半径とする円弧を㋥中心に描きその交点を結び袖側マチとする。
⑤袖側マチと身頃側マチ接ぎ線を曲線に修正し分離する。
3.襟ぐり線を繰込み、ラグラン風切り替え線に修正し、テーラード襟をつくる。
【図9】①前後襟ぐり線を図の数値分繰り込む。襟ぐり線ネックポイント側1/3位置からマチ線へラグラン風の切り替え線をひく。
②前中心線から持ち出し幅70mm出し、40mm上のⓦと前襟ぐり角から25mm下がり肩線25mm平行に出したⓧを結びラペル返り線とする。ラペルと上襟を身頃にスケッチし、ⓦ~ⓧをミラー軸に反転する。前襟ぐり線を完成させ、襟付け線寸法ⓨ、襟外回り線寸法ⓩを半径とする円弧を描き、襟後中心線を図のように求め上襟を完成させる。
➂釦23mm×2個を前身頃に、18mm×3個を袖口ダーツに付ける。
4.完成したラグラン風キモノ袖ジャケットのトワルチェックをする。
【図10】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルチェックする。
5.サイドプリーツスカートを作成する
【図11】①スカートスローパーを用意し、ウエスト線から25mmおよび裾線から115mmの取り出し線(赤線)と、Aラインに切り開く垂線(赤線)をダーツ先から裾線へ、更にウエスト線とダーツ先間それぞれ1/3を結び1本ダーツ切り開き線としてひく。
②赤丸印を回転中心に、裾に10mm、脇線で5mmずつ開いた後に、2本ダーツを消去1本ダーツに修正し、その際処理できないダーツ分量を後中心線、脇線で5mmずつ削って調整する。
➂前スカート上前ヒップ線幅▲と同寸法を下前側にとり、15mm内側の位置からヒップ幅を5等分する。下前ウエスト線が上前ウエスト線と同寸になるよう5本のウエストダーツを作成する。
④影襞幅を40mmでサイドプリーツを展開する。
【図12】①後スカート下前(赤線)脇線をプリーツ脇線に突き合わせる。
② 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、➂トワルチェックする。
6.ジャケットとスカートを組み合わせトワルチェックをする
【図13】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②ジャケットとスカートをコーディネートしてトワルチェックする。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |