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第二十一章 台襟付シャツカラーブラウスとプリーツ切替タイトスカートパターンのデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

Kiiya_ModeliaStylish_38_N(セットイン)のボディを使用して、台襟付シャツカラーブラウスとプリーツ切替タイトスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第二十一章 台襟付シャツカラーブラウスとプリーツ切替タイトスカートパターンのデジタルトワルチェック

1. Kiiya_ModeliaStylish_38_N(セットイン)ボディから作成したブラウススローパーを垂直シルエットに修正する。

【図1】①前回第二十章のコラム図5で作成したブラウススローパーを②赤丸印(第三、第一ノッチ)を回転中心に、サイドピースを脇側へ回転させてストレートシルエットに修正し、トワルチェックする。

2.幅出しで、身幅全体で80mm出す

【図2】①切り開き線を前後中心線より25mm、ウエストダーツ中心線より40mmと50mm、更に脇線より2.5mm平行にひく(赤線)。袖山線第四ノッチから第二ノッチへ凹線、袖口線へ垂線、袖脇線より2.5mm平行にひく。
②幅出しする数値を表のように指定する。
③線1から線11まで平行に切り開き、袖ぐり線をバスト線まで繰り下げる。
④トワルチェックする。

3.マニピュレーションで、前後肩ダーツ分量をゆるみに分散する

【図3】①切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に図の数値を開く。

4.前肩に移動して、袖が後側へ逃げ気味になるのを防ぐ

【図4】①原型後肩線を前肩に移動する。原型前肩線はネックポイントで5mm削り、ショルダーポイントではゆるみを5mm加え前肩分5mmを削るので移動は0となる。
②前後身頃を前肩線で突き合わせ、襟ぐり線、袖ぐり線のつながりを確認する。

5.袖ぐり線に合わせ、袖山線を切り開く

【図5】①切り開き線を袖山線の第四ノッチから第二ノッチ、更に上に凹線でひき、各袖山交点から袖口線へ垂線を6本ひく(赤線)。
②線1から線8まで表の数値を開く。
③完成した幅出しパターンを使用して④トワルチェックする。

6.シャツ袖を製図する
(1)身頃脇線を修正する

【図6】①前身頃(赤線)を反転し、脇裾角を後身頃裾角に突き合わせて重ねる。赤丸印を回転中心にして図の位置まで回転する。
②前後脇線の等分線を前後共通脇線(赤線)とする。
③重ねた前身頃パターンを元の位置へ戻す。

(2)前後身頃を肩線で突き合わせ、袖スローパーを配置する

【図7】袖山線ノッチを袖ぐり線ノッチに突合せ、前後袖ぐり線角ⓐとⓑを結んだ直線と袖幅線ⓒとⓓが平行になるまで回転する。

(3)袖を作成する

【図8】前肩線を30mm出し、前後袖ぐり線(黒線)をⓐとⓑから20mm繰下げた位置へひく。袖スローパーの袖幅線に55mm平行な線(赤点線)を上にひき、前後袖山線(赤線)を袖ぐり線同寸で図のようにひく。

【図9】カフス丈50mm×幅250mm(持出し30mmを切り離し、タック幅25mmを2本、短冊を付けて袖口幅仕上がりが220mmで製図する。

7.台襟付きシャツカラーを製図する

【図10】①前中心線から持出しを15mm出し、襟ぐり線を5mm繰り下げる。
②タテ27mm、ヨコ後襟ぐり寸法(〇)+前襟ぐり寸法(□)+15mmの台襟をひく。
③前衿ぐりを3等分した切り開き線をひき赤丸印を回転中心に、1.5mmづつ畳む。
④台襟のⓔから水平線をひき後中心線にぶつける。25mm上から後中心線42mmをとり上襟を図のように製図する。
⑤トワルチェックする。袖底のドレープを確認する。

8.タイトスカートをつくる

【図11】①前回第二十章のコラム図6の切り開き線を入れたスカートスローパーを用意する。
②開き幅表の数値を設定する。
③ヒップ幅全体で40mm幅出しする。
④パターン整理後、各ダーツ先からヒップ線に結び裾線まで垂線をひく。

【図12】①赤丸印を回転中心に、裾線で図のように畳む。
②ウエスト線の1/3位置から垂線をひき1本ダーツ位置とする。
③後ダーツ25mm前ダーツ20mm、前後脇でそれぞれ12.5mmカットする。
④完成したタイトスカートパターン。
⑤トワルチェックする。

【図13】①後スカートプリーツ部分を図の寸法で製図し、②スカートを全身パーツで作成し、プリーツ切替は中央にボックスプリーツ、両脇側にサイドプリーツを展開する。
③2タイトスカートのトワルチェックをする。

9.ブラウスとスカートを組み合わせてトワルチェックする

【図14】①3Dメニュー[PMプリフォーム]でブラウスとスカートパーツの縫合設定をする。
②メニュー[重ね順設定]ブラウスは4、スカートは1で配置する。
③腕を下ろすA(据わりの浅い袖タイプ)で縫合開始する。
④袖の据わりが定位置にきたら停止する。
⑤ボデイの腕を抜いて、再縫合しトワルが完成する。

【図15】3Dメニュー[表示設定]で、生地柄を貼り付けてトワルが完成する。

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 https://masacad.thebase.in/

3Dバーチャルフィッティングソフト
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