第十三章 ヨーク切替フレアースカートパターン展開とデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
新型コロナウィルスの蔓延は、私たちの仕事の仕方や学びの方法に大きな変革をもたらしています。会社では「テレワーク」、学校では「オンライン授業」への対応です。このコラムで取り上げている「2Dのフラットパターンメーキングと3Dのデジタルトワルチェック」は、ますます必須の技術になるでしょう。今回はドレーピングで作成したスカートスローパーを使って、ヨーク切替フレアースカートのパターンメーキングとそのデジタルトワルチェックをテーマに解説します。それでは、始めましょう。
第十三章 ヨーク切替フレアースカートパターン展開とデジタルトワルチェック
1.幅出し済スカートスローパーのトワルチェックをする
【図1】ドレーピングで作成したスカートスローパーを、平面操作でウエスト全体で30mm、ヒップ全体で40mm「幅出したスカートスローパー」をトワルチェックしてみよう。幅出し方法詳細については、WebコラムVol.7「スカートパターン展開とデジタルトワルチェック」を参照下さい。
2. スカートスローパーから、ヨーク切替スカートへ展開
「幅出し済スカートスローパー」から、ウエストヨークに切り替えて、フレアーに展開するなどパターン作成のポイントを解説する。
(1)ウエストベルトを利用し、スカートヨーク切替部分と統合する。
【図2】スカート丈を680mmに延長する。ウエスト仕上がり寸法に合わせ、60mm幅のウエストベルトを作図する。ヨーク切替線を前後中心線で50mm、脇線で20mmでひく(赤線)。
【図3】①ヨーク切替線(赤線)で、スカートとヨークを切り離す。
②ウエストベルトと切り離したヨークパーツを脇線角(〇印)に突き合わせる。
【図4】完成したヨーク切替タイトスカートをトワルチェックしてみよう。
(2)フレアースカートに展開する
【図5】メニュー[切り開き展開]で、開き幅表に裾開き分量入力、赤線を展開線、赤丸印を回転中心とする。
【図6】ダーツ先および脇線とヒップ線交点を回転中心にして、裾で50mm、脇裾で25mmづつ開く。展開後残ったダーツ量は、いせ込み処理する。
(3)デジタルトワルを作成する
【図7】メニュー[線情報]で、縫合線を設定する。
【図8】メニュー[配置]で、ACS_レディス(セットイン)ボディにパーツ配置してみよう。
【図9】メニュー[3Dプリフォーム]で、パーツを縫合しデジタルトワルを作成する。
【図10】メニュー[線作成]で3Dのトワル上に、腰フラップ線(青線)を任意にひく。型紙に反映タブをクリック、2Dの前スカートパターンにフラップ線が記入される。
【図11】フラップを追加設定する。①メニュー[線情報]で縫合設定、②メニュー[配置]でボディにパーツ配置する。
【図12】メニュー[PMプリフォーム]で、フラップパーツを縫合し、完成したトワルチェックをする。
【図13】メニュー[線情報]で、ジャケットを新たに縫合設定する。
【図14】メニュー[配置]で、ジャケットを新たに配置する。[重ね順設定]でスカートを1の肌側、ジャケットを5の外側に設定する。この設定で、スカートの上にジャケットを組み合わせることができる。
【図15】メニュー[PMプリフォーム]で、肩パット厚み5mmでボディに装着し、線固定、点固定各種設定をする。
【図16】メニュー[PMプリフォーム]腕を下ろすAタイプでシミュレーションし、縫合する。
【図17】ACS_LadiesHumanBodyを、スローパー丈寸法に微調整して「痩せ型・丈修正ボディ」に加工しオリジナルボディをつくる。
【図18】図17で作成した「痩せ型・丈修正ボディ」を使用して、メニュー[PMプリフォーム]腕を下ろすBタイプでシミュレーションし、縫合する。
【図19】図16,18のトワルに、生地・柄を貼り付けて全体バランスをチェックする。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 | ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | https://masacad.thebase.in/ |