国・地域の選択

第七章 スカートパターン展開とデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

今回は、実際ボディからドレーピングして作成したスカートスローパーを使って、ハイウエストタイトスカートのパターンメーキングとそのデジタルトワルチェックをテーマに解説します。それでは、始めましょう。

第七章 スカートパターン展開とデジタルトワルチェック

1.スカートスローパーの幅出しをする

ドレーピングで作成したスカートスローパーは、ボディにピッタリフィットした状態でこのままでは使用できない。既製服パターンとして必要な「運動量=ゆるみ」を加える。この作業を「幅出し」という。ウエスト全体で30mm、ヒップ全体で40mmの幅出しをする。

【図1】幅出し前のスカートスローパーを使い、ACS_レディース(スカート)ボディで、デジタルトワルチェックをしてみよう。
ーーースカート丈(420mm)は、ボディの丈に合わせてある。

column_digitaltoile7_1

【図2】スカート丈を550mmに修正したスカートスローパーを用意し、図の位置に展開線をひく。
メニュー[切り開き展開]で、線⑴~線⑹を表の数値で開く。(全体でヒップ40mm、ウエストは30mm幅出しダーツ間口幅でウエスト寸法の調整をする)

column_digitaltoile7_2

【図3】幅出ししたスローパーをデジタルトワルチェックする。

column_digitaltoile7_3

【図4】メニュー[ベルト]で、1/2のベルトを30mm幅、後明きで作成する。ヒップ940mm、ウエスト630mmが仕上がり寸法である。
デジタルトワルチェックをしてみよう。

column_digitaltoile7_4

2. スカートスローパーから、ハイウエストスカート展開

「基本ドレススローパー」の上身頃と「スカートスローパー」を使用し、2本ダーツの1本化、上下パーツの統合、タックの展開などスカートパターン作成のポイントを解説する。

(1)パターン修正の第一ポイント
ウエストダーツを前後とも、1本に修正してその際にウエスト幅にゆるみ分を加える

【図5】幅出しした「上身頃」と「スカート」スローパーを用意する。(ウエスト仕上がり寸法いずれも630mm)
ACS_レディス(セットイン)ボデイでデジタルトワチェックすると、上下パーツをつなげた場合、ウエスト位置にゆるみ入れが必要なことがわかる。

column_digitaltoile7_5

【図6】後スカートのウエストダーツ間に、1本に移動する展開線を中心側1/3位置にひく。
前スカートのボックスタックの展開線を図のように(逆V字型・・タック先を離す)ウエストダーツ間に中心側1/3位置にひく。

column_digitaltoile7_6

【図7】原型のダーツ先(赤丸印)をそれぞれ回転中心として、ウエスト線にゆるみ配分するとともに、1本のダーツ線やボックスタック線にそれぞれ修正する。

column_digitaltoile7_7

(2)パターン修正の第二ポイント
ウエストを境にして、上下パーツを統合する。

【図8】スカートのウエストラインに合わせて、ハイウエスト部分(ウエストラインから60mm平行な線から取り出し)を開き、前後中心線部分の開ける寸法と同寸になるように4mm程度脇線上下方向にパーツを重ねて、パーツを統合する際の重なりバランスをとる。

column_digitaltoile7_8

【図9】前スカートタック分を裾線に回転中心をおき15mmづつ開き、中ヒップ部分を膨らませペグトップ(駒形)シルエットに修正する

column_digitaltoile7_9

(3)パターン修正の第三ポイント
ボックスタックを開く。

【図10】メニュー[タック変換]でタック線とタック奥80mm で、タック線に変換(デジタルトワル作成時に必要な処理)する

column_digitaltoile7_10

【図11】後下前に30mm幅、200mm明きのベンツ持ち出しを付け、前をミラー展開し完成したパターン

column_digitaltoile7_11

3. 完成パターンのデジタルトワルチェックをする

【図12】ACS_レディス(スカート)ボデイでデジタルトワルチェックする。ウエストのゆるみやベンツ明き、スカートのシルエットなどを確認しよう。

column_digitaltoile7_12

【図13】ACS_レディース(セットイン)ボディでデジタルトワルチェックし、全身のバランスで確認する。

column_digitaltoile7_13

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 https://masacad.thebase.in/
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード