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第六章 ドレスパターン展開とデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春

  • 学習・知識

前々回のレトロ感溢れるドレスに続き、今回は、ドルマン袖・シャツドレスのパターンメーキングとそのデジタルトワルチェックを解説します。それでは、始めましょう。

第六章 ドレスパターン展開とデジタルトワルチェック

1.シースドレススローパーからの展開

シースドレス(sheath dress)スローパーから、フラットパターンメーキングで続き袖のシャツ風ドレスを作成する。

【図1】シースドレススローパーのデジタルトワルチェックをしてみよう。
ーーーACS_LadiesHumanBody を使用し、全身に対してのバランスを確認する。

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【図2】これから作成するドルマン袖・シャツドレスのシルエットを確認してみよう。
ーーーウエストにタックを入れて、ペグトップ(コマの形)スカートに、オープンカラーシャツのディテールを取り入れ、シャツドレス風に仕上げる。カフス付き続き袖(ドルマン袖)も今回の主要テーマである。

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【図3】シースドレススローパーを用意し、ウエストノッチが中心線になるように30mm(●印)幅の切り替えを図3のようにひく。

【図4】ウエスト切り替え線を入れてパターン整理する。

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【図5】前後身頃からウエスト切り替えパーツを抜き出し、ウエストダーツ分をたたんで1本の切り替えパーツにする。

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【図6】後身頃のウエストダーツから展開線を上下タテ方向に延長し、肩ダーツ展開線とスカート裾線にぶつける。
スカート脇線からウエストラインに脇展開線をひく。

【図7】肩ダーツ展開線上の2っの回転中心(赤丸印)で、ウエストダーツ間口に10mmづつ分散し、残りを第四ノッチ位置に配分する。
後スカートは、裾線と脇線上(赤丸印)を回転中心とし、ウエストダーツ間口に10mm、10mmと脇展開線交点に35mmを開く。

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【図8】バストポイントと襟ぐり線の中点、第二ノッチ、脇線ⓐを結んだ展開線をひく。
ウエストダーツから展開線を上下に延長し、肩ダーツ展開線、裾線にぶつける。
スカート脇線からウエストラインに脇展開線をひく。

【図9】襟ぐり中点に5mm、肩ダーツを閉じて、第二ノッチに15mm、肩ダーツ展開線の2っの回転中心(赤丸印)を使い、ウエストダーツに10mmづつ開く。
ⓐは閉じる。前スカートは、裾線と脇線上(赤丸印)を回転中心とし、ウエストダーツ間口に10mm、10mmと脇展開線交点に35mmを開く。

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【図10】続き袖(ドルマン袖)は、前肩に移動する。
(Ⅰ)後身頃の肩線を前肩線(赤線)に移動する。
(Ⅱ)前身頃の肩線を前肩線(赤線)に移動する。

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【図11】前後身頃を前肩線で突き合わせ、襟ぐり線、アームホール線のつながりを良く修正する。

【図12】前身頃襟ぐり線をつなげ、反転する。

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【図13】前後身頃のウエストラインと脇線角ⓑを固定し、前身頃を回転して図のように脇線の均等な位置㋑~㋺を求め前後身頃ともに修正する。

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【図14】ドルマン袖の身頃脇線調整後(黒線)と調整前(赤線)を比較すると袖パターンのすわり角度(浅い⇔深い)の相違がわかる。マチ無しのドルマン袖の時に必要な修正となる。

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【図15】袖原型からカフス丈50mmをカットして抜き出し、袖山の第二ノッチから第四ノッチに凹線、更に袖口線に向かって展開線をひく。
前後身頃アームホールに入れたゆるみに合わせて、袖口線の回転中心(赤丸印)で袖山線を開く。

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【図16】袖山線の第二、第四ノッチを回転中心(赤丸印)にして、270mmに仕上がるように袖口線をたたむ。
袖口幅220mm+タック幅25mm×2=270mm
図15の原型袖口寸法-270mm=●寸法をたたむ。
2本タックと短冊、カフス(50×220)袖分割線を完成させる。

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【図17】前後身頃アンダーアームを結ぶ補助線ⓒ~ⓓをひき、水平になるように配置する。前肩線肩先ⓔと袖分割線ⓕを突き合わせ、アームホールのカマ底と袖底の距離が(赤円の直径)同寸になるようにする。

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【図18】前後袖下線をひき、袖分割線で前後の身頃を切り離す。

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【図19】前後身頃のサイドネックを5mmくりこみ、前後襟ぐり線をつながり良く修正する。
前中心に25mmの持ち出しを付ける。
襟腰分25mm、羽根分40mmとし後身頃に襟外回り線をひく。

【図20】持ち出し線上の位置ⓧと、原型サイドネックポイントから前襟ぐり線上25mmの位置で肩線に平行に20mm出したⓨをむすびラペル返り線とし反転する。
上襟のスケッチする。襟ぐり線を反転する。
後衿付け線㋑、襟外回り線㋺を半径とする円弧を描き、外接する襟後中心線の補助線㋩~㋥をひく。
前襟ぐり線ノッチから㋩~㋥に垂線をひき交点から10mm、襟腰25mm、羽根40mmとし、襟付け線、襟腰線、襟外回り線を完成させる。

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【図21】釦を15mm×6個、釦間隔95mmを製図し、完成したドレスパターンのトワルチェックをする。

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関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 https://masacad.thebase.in/
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード