第三十八章 ベルスリーブジャケット、キャミソール、裾ダブルパンツ3点セットのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニューキプリスレギュラートルソ9AR・R」 と「ニューキプリスレギュラー9AR・R パンツ」を使用し、ベルスリーブジャケット、キャミソール、裾ダブルパンツ3点セットのパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。
News 最新刊「3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編」発売中
第三十八章 ベルスリーブジャケット、キャミソール、裾ダブルパンツ3点セットのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
1. プリンセスライン・スローパーをトワルチェックする
【図1】①ニューキプリスレギュラー9AR・R トルソ のデジタルボデイから予め作成したプリンセスライン・スローパーを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
2. プリンセスラインのジャケット・スローパーをつくる
【図2】①着丈550mmに修正したプリンセスライン・スローパーを用意し、切り開き線(赤線)をひく。
②切り開き数値を設定し、➂身幅全体で30mm平行に幅出しする。
【図3】①スローパーのウエスト線を25mmハイウエスト(緑線)にする。
②㋑後身頃の赤丸印を回転中心にして、上身頃部分を10mm左側へ倒し(緑線)、㋺パターン整理する。
【図4】①脇ウエスト線から60mm位置で角度45度、70mmの切り開き線、袖山ノッチから垂直の切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心に身頃袖ぐり線、袖山線に数値を開く。
3. タイトスリーブ(中袖)とその上に重ねるベルスリーブをつくる
【図5】①図4②袖を前後シルエット線で畳み直し、袖の目(緑線)をつくる。
②等分した袖口線(120mm)に直角で交わる袖中心線をひく。肘線で図の数値を繰り込み、前後シルエット線(緑線)をひき直す。
➂その線をミラー軸に袖を開き、袖口ダーツのあるタイトスリーブ中袖とする。
【図6】①図4②で作成した身頃とタイトスリーブ中袖を用意し、②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
【図7】①タイトスリーブ中袖(黒線)を用意し、袖の目(緑線)から、袖丈320mmのストレートスリーブ(緑線)元型を製図する。
②それを取り出し、袖幅線を8等分した切り開き線(赤線)をひく。
➂袖山線上の赤丸印を回転中心に袖口線交点をそれぞれ80mm開く。
④袖口線を繋げて引き直しパターン整理する。
4. テーラードカラーをつくる
【図8】①前身頃に切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心で前襟ぐり線に10mm開き、襟ぐり線(緑線)を図のように修正する。
➂前後身頃を肩線で突き合わせ、赤丸印を回転中心に肩線で10mm重ねる。
④前中心線から20mm平行に持出し線をひく。その線上ⓐと肩線延長ⓑ、ⓒ、ⓓそれぞれを結ぶ。
⑤ ラペル返り線(赤線)のⓐから210mm位置をⓔとする。ラペルと上襟の一部(赤点線)を図のようにスケッチし、ラペル部分をミラー展開(黒線)する。
【図9】①赤丸印を回転中心に後身頃襟ぐり線を、10mm回転させる。その線に直角に後中心線70mm(緑線)をひく。
②上襟外回り線、襟腰線を図のようにひき上襟(緑線)を完成させる。
➂完成した上襟を取り出し、釦を前身頃に23mm×3個、 タイトスリーブ中袖に20mm×3個図の位置に付ける。
5.完成したベルスリーブジャケットをトワルチェックする
【図10】①完成したベルスリーブジャケットパターンを用意し、②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
6.キャミソールをつくる
【図11】①着丈480mmの幅出し前プリンセスライン・スローパーを用意し、青丸印で突き合わせ、脇線、裾線を矩形(緑線)に結ぶ。
②バスト線から図の数値で胸線、脇線(緑線)をひく。
➂肩紐と前後裾切替を図の数値で製図する。
④ ㋑前身頃を取り出し赤丸印を回転中心にダーツを閉じて、㋺サイドダーツに開く。胸線をつながり良く引き直す。
【図12】①㋑前後裾切替を取り出し、それぞれ3等分した切り開き線(赤線)をひく。㋺赤丸印を回転中心に裾線交点に20mm開く。前中心線から裾幅を40mmカットする。完成したキャミソールパターンを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する
7.パンツ・スローパーをトワルチェックする
【図13】①ニューキプリスレギュラー9AR・R パンツ のデジタルボデイから予め作成したパンツ・スローパーを②3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
8.裾ダブル折り返しパンツをつくりトワルチェックする
【図14】 ①パンツ・スローパーの丈を890mmに修正し、裾折り返しを丈180mm、両側にゆとり分5mmを加えてひく(緑線)。ベルト幅35mm×長さ315mm(630mmの1/2)で作成する。
②裾線をミラー軸に裾折り返し部分(緑線)を反転する。
➂3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
9.完成したベルスリーブジャケット、キャミソール、裾ダブルパンツのトワルチェックをする
【図15】①3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月にデジタルトワル研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |