第9回 工場でパターン修正する際の注意点
海外の縫製現場から見た日本のパターンと仕様書について
- レポート
本シリーズは、中国上海で縫製工業を経営されているDEPICTION-ONEの中村様に、東レACS主催の「縫製仕様書勉強会」にて「海外の縫製現場から見た日本のパターンと仕様書について」ご講演いただ内容をご紹介します。
海外の縫製工場への依頼で、簡単なパターン修正する場合、送った1stパターンから直してもらってサンプルアップしてもらう、もしくは寸法と仕様を指示してパターン自体を工場で作成してもらう、というケースがあるかと思います。この時の注意点を実際にあった事例を交えてご紹介します。
第9回 工場でパターン修正する際の注意点
1.工場でパターン修正する例(その1)
図1のようなパターンで天幅を3センチ広げるだけなので、サンプル作成時にパターン修正を一緒に工場でやってもらったところ、赤線のように直したため首元が浮くという問題が起こりました。
これはサイドネックポイントを真横に移動しただけで、まったく肩傾斜の理にはかなっていません。もちろんすべての工場がこのような直し方をする訳ではないですが、人体構造を理解しないままパターン操作をする工場は多いと思います。
【図1】
2.工場でパターン修正する例(その2)
図2はパンツの修正です。「裏無しから裏付に変更、丈を5センチカット」と修正の内容は至って簡単に見えますが、これだけでは不十分です。
丈をカットした際の裾幅はどうするのか?裏地の丈はどこまでの長さにするのか?裏地の素材によって裾始末はどうするのか?といった疑問が出てきます。
【図2】
3.どう指示すれば間違いが起こらない?
よって工場にパターン修正を依頼する時は「できるだけ細かく指示を出す」ことです。相手は文化も考え方も違う外国人です。基本的に言われた通りにしか修正しない、または我々が思いつかない対処をされる場合があります。「常識で考えたらわかるでしょ!?」は通用しません。指示しすぎくらいが丁度いいです。
さらに、何故そうするのかを説明してください。理由を説明することで修正内容の全体をとらえてもらい理解してもらうことで、次に同様のパターン修正を依頼するときにスムーズに対応してもらえます。
4.まとめ
工場へパターン修正依頼は「できるだけ細かく指示を出す」
■今回お話を伺った中村様の会社
DEPICTION-ONE CO.,LTD SHANGHAI Office
〒201103
上海市万源路2163号A栋801室
中村 祐輔
Yusuke Nakamura
8F,UNIT A,NO.2163,WANYUAN ROAD SHANGHAI,201103,CHINA