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No.051 再びドロップショルダーの作図 その2

実践!レディース・パターン教室 著:菊地 正哲

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アパレル工業新聞 2025年7月1日発行 5面
この記事・写真等は、アパレル工業新聞社の許諾を得て掲載しています。

前回の続きです。本当は1回で収めたかったのですが、シミュレーション画像の枚数が多すぎて2回に分けることになってしまいました。では、続きを始めます。

5.傾斜度別のドロップ寸法とバスト寸法の関係

前回の[A]、[B]、[C]のパターンをベースに、それぞれ次の手順でドロップ寸法を5センチずつ増やしてみる。

作図の手順

▼前肩線を延長し、5センチ間隔で前AH(アームホール)をスライドしてコピーする。
▼コピーした各AHのカマ底から水平線を引く。
▼水平線の間隔を測り、同じ間隔の水平線を後ろ身ごろに引く。
▼後ろ肩線を延長し、前と同様に5センチ間隔で後ろAHをコピーする。
▼コピーした各AHのカマ底と水平線の間に隙間ができるので、カマ底を水平線まで下げてAHを引き直す。
▼前後とも脇線を垂直に引く。
▼袖のパターンは傾斜度毎に共通で、後ろAHの増加分は袖幅で調節する。

【5-1】[A]肩線延長のパターン。ドロップ寸法を増やすことによるカマ底の下がりが最も少なく、バスト寸法の増加が最も多い。

実践!レディース・パターン教室51[5-1]

【5-2】[B]傾斜度45度のパターン。

実践!レディース・パターン教室51[5-2]

【5-3】[C]傾斜度30度のパターン。カマ底の下がりが最も多く、バスト寸法の増加が最も少ない。

実践!レディース・パターン教室51[5-3]

――共通して言えることは、製図上の袖の傾斜度が前後で異なるため、ドロップさせるほど前後のAH寸法のバランスが変化する。(この作図の場合は後ろAHが少しずつ長くなる。)また、ドロップさせるほどバスト寸法が増加し、カマ底の位置が下がるので、その分腕が上がりにくくなることが想像できる。

6.傾斜度別の着装シミュレーション

【6-1】[A]肩線延長のパターンを着せ付けた3D画像。
ドロップ寸法が5センチ増加する毎にバスト寸法が約19センチずつ増加する。バスト寸法の増加量は最も多いが、ドロップ寸法が増えたときのシルエットの破綻が最も少ないように見える。

実践!レディース・パターン教室51[6-1]

【6-2】[B]傾斜度45度のパターンを着せ付けた3D画像。
ドロップ寸法が5センチ増加する毎にバスト寸法が約17センチずつ増加する。ドロップ寸法が増えたときのシルエットが徐々に崩れていくのが分かる。[A]と比べると腕が上がりにくそうに見える。

実践!レディース・パターン教室51[6-2]

【6-3】[C]傾斜度30度のパターンを着せ付けた3D画像。
ドロップ寸法が5センチ増加する毎にバスト寸法が約15センチずつ増加する。ドロップ寸法が増えたときのシルエットの崩れが最も大きい。これでは腕は上がらないだろう。

実践!レディース・パターン教室51[6-3]

――この3Dソフトは腕を水平まで上げる機能がないので、腕を上げた時のシルエットやサイズ感が想像しにくいと思われる。あくまで参考程度にしていただきたい。

7.肩のゆとりと肩線の移動

【ドロップショルダーはラグランスリーブやドルマンスリーブと原理は同じなので、肩先が突っ張りやすい。必要ならば肩先を持ち上げてゆとりを出してもよい。また、これらの袖は構造的に肩が後ろに抜けやすいため、それを防ぐために肩線を前に移動する例が多い。

【7-1】ドルマンスリーブを例にした肩線の移動によるタテ糸の繋がりを表した図。
肩線を前に移動することで、タテ糸の繋がりは前が狭く後ろが広くなるので、肩が後ろに抜けにくくなる。

実践!レディース・パターン教室51[7-1]

――――残念ながらそれを力学的に証明する根拠データはない。筆者は肩線の移動はあくまで見た目の問題と捉えている。よって、今回の作図では敢えて肩線の移動は行っていない。肩線の移動に関しては2020年5月号『ドルマンスリーブの作図その2』で検証しているので、参照していただきたい。

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