国・地域の選択

第四十五章 ペダルスリーブブラウスとイレギュラーペプラムスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック 著:関川 政春

  • 学習・知識
  • Facebook
  • LinkedIn
  • X

リンクをコピーしました。

袖パーツが二重になったペダルスリーブブラウス、左右不対象なイレギュラーペプラムスカートを取り上げパターンメーキングとデジタルトワルチェックについて解説します。それでは、始めましょう。

第四十五章 ペダルスリーブブラウスとイレギュラーペプラムスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック

1. ベーシックドレス・スローパーをトワルチェックする

【図1】①ACSレディス(セットイン)デジタルボデイから予め作成したベーシックドレス・スローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図1

2. ベーシックドレス・スローパーからブラウスシルエットパターンをつくる

(1) 上身頃と袖に切り開き線をひき、展開する

【図2】①ベーシックドレス・スローパーの上身頃と袖丈200mmに修正したパターンを用意し、図のように切り開き線を引く。
②赤丸印を回転中心に、後身頃の肩ダーツを閉じネックダーツと袖ぐり線へゆるみ分散する。後襟ぐり線を8mmカットする。前身頃の肩ダーツを閉じウエストダーツへ移動し、残りを袖ぐり線とウエスト線のゆるみに分散する。身頃袖ぐり線に開いた分を袖山線に切り開きブラウス・シルエットパターンが完成する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図2

(2) ブラウス・シルエットパターンをトワルチェックする

【図3】①図2で切り開いた仕上がり線を繋げてパターン整理したブラウス・シルエットパターンを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図3

3. シルエットパターンからペダルスリーブブラウスパターンをつくる

(1) 身頃のスクエアーネックとフロントカットラインをつくる

【図4】①図3のトワルに持ち出しを80mm付けたものを用意し、3Dメニュー[PMプリフォーム]機能・線作成で、②㋑スクエアーネックとフロントカットラインをフリーハンドでトワルに描く(緑線)。㋺仕上がり線として確定する(実線)、③型紙に反映ボタンを押して、④パターンに各ラインを反映する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図4

(2) トワルから反映した仕上がり線を整理して、身頃を完成させる

【図5】①トワルから反映した仕上がり線(緑線)を図のようにパターン整理する。
②仕上がり線(緑線)で取り出し、釦23mm×4個を前端線から25mm内側に図の様に付け身頃が完成する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図5

(3) 袖スローパーからペダルスリーブを作成しトワルチェックする

【図6】① 図2の袖スローパーを丈25mm延長して用意し、袖山から65mmの直角線を引き袖山との交点をⓐ、ⓑとする。袖の裾線ⓓからⓐ、ⓒからⓑを曲線でひき(緑線)、袖口線とする。
②外側袖と肌側袖を取り出す。
③外側袖の脇線に肌側袖の脇線を突き合わせる。切り開き線(赤線)を幅均等に7本引く。
④袖山線の赤丸印を回転中心に、袖口線で10mmずつ開く。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図6

【図7】①ペダルスリーブブラウス・デザインパターンを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図7

4. イレギュラーペプラムスカートをつくる

(1) スカート・シルエットパターンをトワルチェックする

【図8】① ACSレディス(セットイン)デジタルボデイから予め作成したスカート・シルエットパターン(ウエスト1本ダーツ)を3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図8

(2) 下前スカートを40mm幅出し、ウエストダーツを無くした上前スカートをつくる

【図9】①丈を50mm延長したスカートシルエットパターン(下前スカート)を用意し、前スカートのウエストダーツをカットといせ込みで処理(図参照)して無くする。
②㋑ 下前スカートに切り開き線(赤線)をひき、㋺それを元型に上前スカート20mm幅出し(左右で)する。ウエスト寸法を下前スカートに合わせるため、幅出し分10mmを脇でカットする。 前中心線でミラーに展開する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図9

(3) ペプラムの裾線を上前スカートに描き、イレギュラーペプラムをつくる

【図10】①図9で作成した後と上前スカートのトワルを組み立て、 3Dメニュー[PMプリフォーム]機能・線作成で、②㋑イレギュラーペプラムの裾線をフリーハンドでトワルに描く(緑線)。㋺仕上がり線として確定する(実線)、③型紙に反映ボタンを押して、④パターンに各ラインを反映する。
⑤トワルから反映した仕上がり線(緑線)を図のようにパターン整理する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図10

【図11】①図10でパターン整理した上前スカートを用意し、②ペプラムパーツA(緑線)を取り出し、赤線でミラー展開する。
③パーツB(オレンジ色)を取り出す。
④パーツBをパーツAに突き合わせる。
⑤㋑パーツC(青色)を取り出し、㋺左右を反転する。
⑥㋑パーツC(青色)を㋺パーツBに突き合わせる。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_11図

(4) イレギュラーペプラムスカートのトワルチェックをする

【図12】①パーツA、B、Cを突き合わせて完成した上前スカートのペプラム線(赤線)を繋がりの良い曲線に修正しパターン整理する。
②㋑図9の下前スカート(幅出しをしていない)を前中心線でミラー展開して用意する。㋺緑線で取り出して、反転し下前スカートとする。
③完成したパターン(前スカートの上前と下前、後スカートの上前と下前、ベルト)を3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、④トワルを組み立て確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図12

5. ペダルスリーブブラウスとイレギュラーペプラムスカートのコーディネートチェックをする

(1) レディス(セットイン)ボディでブラウスとスカートのコーディネートチェックをする

【図13】3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て①から⑧まで各方向から確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図13

(2)Ladies Human Body でブラウスとスカートのコーディネートチェックをする

【図14】3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て①から⑤まで各方向から確認する。

フラット・パターンメーキングと デジタルトワル チェック vol.45_図14

関川 政春(セキカワ マサハル)

2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長

現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる

2017年6月に デジタルトワル 研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開

※下記参照

活動

ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表

2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワル の活用事例を発表

ウェブサイト http://masa-cad.com/
出版書籍 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】
PATTERN MAGIC II3D 資料ダウンロード