第四十一章 ダブルペプラムジャケットとハイウエストスリットスカートのパターンメーキングと デジタルトワル チェック
フラット・パターンメーキングとデジタルトワルチェック 著:関川 政春
- 学習・知識
株式会社キイヤより最新リリースされた3Dボディフォームの「ニュー キプリス レギュラートルソ9AR・R」 を使用し、ダブルペプラムジャケットとハイウエストスリットスカートのパターンメーキングと デジタルトワル チェックについて解説します。それでは、始めましょう。
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第四十一章 ダブルペプラムジャケットとハイウエストスリットスカートのパターンメーキングとデジタルトワルチェック
1. プリンセスライン・スローパー(2枚袖)の後中心線をくせ取り有りに修正し、トワルチェックする
【図1】①デジタルボデイから予め作成した着丈570mmプリンセスライン・スローパー(2枚袖)を用意し、後身頃の赤丸印を回転中心に緑線パーツを左側に10mm倒す。
②修正したスローパーを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、➂トワルを組み立て確認する。
2. ジャケットシルエットパターンを作成し、トワルチェックする
【図2】①プリンセスライン・スローパーを用意し、切り開き線(赤線)を図のようにひく。
②赤丸印を回転中心に、第四ノッチと第二ノッチ、更に肩パットの厚み分、前襟ぐりにはテーラードカラーに必要なゆとり5mmを各々開く。袖ぐり前後カマ幅に10mmと5mmを開く。切り開いた前後袖ぐり線に合わせ、袖山線を開き調整する。
【図3】切り開いた仕上がり線を繋げてパターン整理し、3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
3. 身頃のダブルペプラムを作成し、トワルチェックする
【図4】①前後脇身頃と後身頃を用意し、②下身頃のパーツ(緑線)をウエスト線から取り出し、下ペプラムA、B、Cとする。
③各パーツを図のように突き合わせ、ウエスト線と裾線(赤線)を引き直す。
【図5】①下ペプラムの各パーツを切り離し、切り開き線(赤線)をひく。
②赤丸印を回転中心にして裾に開く。
【図6】① 切り開いた下ペプラムパーツを整理、3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
【図7】①3D機能[線作成]ボタンを押し、②下ペプラムに乗せる上ペプラムの裾線(緑線)をクリックして描く。
③線作成の[型紙に反映ボタン]を押し、上ペプラム裾線を反映する。
④その線(緑線)で取り出し、上ペプラムパーツD、E、Fとする。
【図8】3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、トワルを組み立て下ペプラムに重ねた上ペプラムを確認する。
4. テーラードカラーをつくる
【図9】①前後身頃の襟ぐり線を図の様に繰り下げ、前中心線に持ち出し70mmを付ける。
②ネックポイントから襟腰分30mm垂直に、羽根分40mmをとり後襟外回り線(一点鎖線)をひく。
【図10】①前後身頃の肩線を突き合わせ、ラペル返り線(青線)を点ⓐとサイドネックポイントから25mm、更に肩線に平行に25mmの位置ⓑと結びひく。上襟とラペルのデザイン線(緑線)をひく。
②ラペル返り線をミラー軸にラペルデザイン線を反転し、ゴージラインをひいて前襟ぐり線を完成する。襟付け線寸法(実線)ⓧを半径とする円弧を㋑`から描く。後襟外回り線寸法(一点鎖線)ⓨを半径とする円弧を㋺から描く。2つの円弧に外接する襟後中心線70mm(襟腰幅30、㋩羽根幅40)をひく。図のように上襟の襟腰線(青線)をラペル返り線に繋げる。
➂上襟を取りだし、反転して④襟付け線上に後襟ぐり線寸法をとり、サイドネックポイントノッチとする。
5.身頃と袖にボタンを付ける
【図11】前身頃に釦23mm×4個、外袖に釦18mm×4個を図の位置に付ける。
6.完成したダブルペプラムジャケットをトワルチェックする
【図12】① 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
7.ハイウエストスリットスカート・デザインパターンをつくる
【図13】①Vol.40図13で作成した前後スカートを用意、 3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
③ハイウエストパーツを丈60mm×幅前後ウエスト線寸法の矩形で製図し、スカート切り替え線(緑線)をひく。
④ ハイウエストパーツを脇線(赤線)で前後パーツに分けて取り出し、切り替えパーツ(緑線)と図のように統合する。重なった(斜線)不足分を脇線に出して調整する。
⑤㋑前後脇線角で10mmカット(緑線)する。㋺前後切り替え線を引き直す。
⑥ハイウエストパーツのパターン整理をする。
【図14】①完成したデザインパターンを3Dメニュー[PMプリフォーム]で縫合設定し、②トワルを組み立て確認する。
③3D機能[線作成]ボタンを押し、④左側スカートパターンにスリット線(緑線)をクリックして描く。
⑤㋑線作成の[型紙に反映ボタン]を押し、㋺反映したスリット線からスリットパーツ(緑線)を取り出す。
⑥ 3Dメニュー[PMプリフォーム]で修正した前スカートを縫合設定し、トワルを組み立て確認する。
8.ダブルペプラムジャケットとハイウエストスリットスカートのコーディネートをする
(1) セットアップ(上下同一の生地)・コーディネートをする
【図15】 ①ファッショントレンドの「チェック・オン・チェック」を意識したデザイン、上下アイテムを同一の生地で統一したコーディネートする。
(2) セパレーツ(上下異なる生地)・コーディネートをする
【図16】 ①ファッショントレンドの「チェック・オン・チェック」を意識したデザイン、上下アイテムを異なる生地グリーン系で統一したコーディネートする。
関川 政春(セキカワ マサハル) 2002年~2017年 国際トータルファッション専門学校 校長 現在は校長を退任し、同校の非常勤講師としてアパレルCAD教育に携わる 2017年6月に デジタルトワル 研究についての書籍出版と同時にウェブサイトを公開 ※下記参照 |
活動 |
ファッションビジネス学会全国大会(2016年開催)で、3Dトワルを活用した「婦人テーラードジャケットのパターン&3Dシミュレーション検証」を発表 2017年11月25日開催のファッションビジネス学会全国大会において、デジタルトワルの活用事例を発表 |
ウェブサイト | http://masa-cad.com/ |
出版書籍 | 3面構成テーラードジャケットを極めるpart3 Bar Jacket編【電子書籍】 |