第4回 「呼び方」が複数あるのは混乱の元
海外の縫製現場から見た日本のパターンと仕様書について
- レポート
本シリーズは、中国上海で縫製工業を経営されているDEPICTION-ONEの中村様に、東レACS主催の「縫製仕様書勉強会」にて「海外の縫製現場から見た日本のパターンと仕様書について」ご講演いただ内容をご紹介します。
言葉が違う海外の縫製工場へ仕様書を送るときに、起こりえるトラブルの例や、上手く伝えるポイントをご紹介しています。
第4回 「呼び方」が複数あるのは混乱の元
1.1つの仕様に対して「呼び方」が複数ある
次の図は二つともよく目にする図ですが、それぞれ何と書きますか?または何と呼びますか?
左側は"カン止め""カンヌキ"、漢字で書いたバージョンの"閂"もあります。
右側は"ルーパー""セッパ"などがあります。
例えば、品番によって表現が異なった場合、海外の縫製工場では「"カンヌキ"と"カン止め"は違うのか?」とか「"ルーパー"は付属で"セッパ"は共布でつくるループのことか?」という疑問を抱きます。
2.呼び方」が複数ある場合の対処方法
このような場合、工場の担当者で認識している専門用語も様々ですが、仕様書を作成する側で調整すると良いです。
図を見れば分かるかもしれませんが、可能な限り単語の表現を統一するのが理想です。
また、「サイフォームマジック(東レACS縫製仕様書システム)」の翻訳機能を使う場合、同じ仕様に対して似たような単語を入力しているのであれば、表現を統一することで翻訳時のエラーも減らせます。
逆に、似ていても異なる仕様であれば異なる単語で使い分けてください。
例えば、"メロー始末"と"ウーリー始末"、中国ではどちらも"ミーカオ"と一つの単語で表現できますが、"メロー始末"は"ミーカオ"、"ウーリー始末"は"ニーロンシェンミーカオ(≒ウーリー糸を使ったメロー)"のように違うものに関してははっきりと区別してあげることで、正確な指示ができます。
3.まとめ
1つの仕様に対して「呼び方」は統一すると良い
■今回お話を伺った中村様の会社
DEPICTION-ONE CO.,LTD SHANGHAI Office
〒201103
上海市万源路2163号A栋801室
中村 祐輔
Yusuke Nakamura
8F,UNIT A,NO.2163,WANYUAN ROAD SHANGHAI,201103,CHINA