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"特需的"動きの次に照準~3Dの普及へ本腰 海外は中国から再挑戦~(アパレル工業新聞掲載)

2019年12月1日 アパレル工業新聞1面掲載

"特需的"動きの次に照準~3Dの普及へ本腰 海外は中国から再挑戦~

 アパレルCADで国内最大手の東レACSが現在、力を入れているのは3DCAD(クレアコンポⅡ・パターンマジックⅡ3D)。同社は今年を「3DCADの元年」ととらえて来たが、「CADのパターンマジックユーザーで3Dを使って頂いているのは五%から七%」(松田浩社長)というのが現状。このため「何とか二〇%まで持っていきたい。日本のアパレル設計の変革を目指し本格展開を図る」(同)としている。

 東レACSの3DCAD(クレアコンポⅡ・パターンマジックⅡ3D)は、大手アパレルとの実証実験を通じて、特に再現性(見た目の評価)と操作性が格段にアップ。「他社CG系3Dの十分の一と価格が安く、短時間でトワルのデジタル化が可能」をウリにしている。アパレルユーザーの3Dへの関心は確実に高まっており、ユーチューブを活用して認知度を高めるほか、システムの高度化とサービスの向上を図る。

 その一つが、近日リリース予定のクレアコンポⅡ・Ver6.1で米アルバノン社のボディーデータをダウンロードし、クレアコンポⅡ・3Dの着装シミュレーションで利用できるようにする。松田社長は、「グローバル展開を行う企業にとって、北欧向けとかアジア向けなどの企画がやり易くなる」と話す。このほか3Dでは、自前の開発に拘らずCG系3Dベンダーとの連携を図り、ビジュアルを含めた二次元←→三次元の自在な変換を目指す。

 海外対応の再強化も課題。これまでは海外進出する日系企業のサポートに重点を置いてきたが、それに加えて3Dを含む日本発の服作りのツールを発信する。当面、中国を中心にマーケティング。代理店を通じて中国語によるクレアコンポⅡクラウド(企業タイプ)のクラウドサービスを近く立ち上げる。中国市場の開拓では「関連会社のJASSとも連携して、アパレル指向の縫製企業などに日本流のモノ作りを提案しながら東レのCADを訴求していく」(松田社長)方針である。

アパレル工業新聞2019年12月1日1面