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プレスリリース


東レACS「進化する服づくりのベスト・ツール」繊維ニュース掲載

2017年3月17日 繊維ニュース掲載

進化する服づくりのベスト・ツール

 東レACSはアパレルCADシステム「クレアコンポⅡ」のバージョン4を今春発売する。生産効率と品質向上を支援するための「ツール」というコンセプトはそのままに、3D機能や縫製仕様書作成システムなど機能を充実。前機クレアコンポからの切り替えを促進していく。ICT技術と服づくりの現状と「ベスト・ツール」を提供するための取り組みを多田明博社長に聞いた。

――市況をどう見ますか。

 アパレル・ファッション産業に限らず「閉塞感」「不透明さ」といった形容が先行する中でもアパレルCADは増設や更新が続き、悪くない状況です。打開策を探す危機感が、「インダストリー4・0」の普及を後押ししていく期待があります。

 インダストリー4・0はデジタル技術を活用し製造業に革命をもたらすという考え方です。単にソフトウエアやシステムの導入で生産性を高めるだけではなく、売れるもの、マーケットが求めるものを提供するための環境を作っていく必要があります。とはいえ売れ筋をつかむのは難しい。ザラのように世界約90カ国以上で6,000店舗以上を展開し物流網まで持っているならともかく、互角に勝負できる企業はほとんど見当たりません。仮に同じ服を大量にクイック・デリバリーできたとしても、今度は差別化が壁になります。アパレル業界におけるインダストリー4・0は、個人対応が 打開策になると考えます。そこに最適なツールとしてクレアコンポⅡを提供していくのが当社の基本姿勢です。

――具体的にどのような展開を計画していますか。

 今春バージョン4を発売します。16年に実装した「デジタルトワル」の機能を強化しています。パターンメーキング工程における立体補正作業を 3Dバーチャルで行うことでサンプル作成前の試行錯誤が効率化できます。 デザインのカバー率を高め表現力を向上させています。

 縫製仕様書についても新たな提案を行います。「サイフォームマジック」はパタンナー、MD、デザイナー、生産管理者の間で情報を管理・運用ができ、時間短縮と効率化を可能にすることを目的に開発されました。しかし実際にはエクセルやイラストレーターなどで作成、メール添付で送るケースもまだまだ多い。バージョン4では簡易版の仕様書を作ることができないか、紹介していきます。「クラウド内での連携」は今年度の開発テーマの一つです。

 導入の支援も進めていきます。Ⅱの発売以降、クラウド化を進めてきました。大手企業だけでなく中小企業や個人ユーザー、専門学校まで利用しやすいプランを増やしてきました。今後はセミ・オーダー事業に対応した「セミ・オーダーソリューション」を提案していくとともに、ウェブによるサービスコンテンツやスキルアップセミナー、サポートサービスも充実させていきます。

 クレアコンポⅡは毎年バージョンアップさせていますが、まだ完成形ではありません。真のベスト・ツールとして、近い将来はAIやVRといった最新技術との連携も視野に進化させていきます。